ABS-CBN

ABS-CBN：フィリピンを代表するメディア帝国の興亡

ABS-CBNは、フィリピンで最も著名な放送局であり、長年にわたりフィリピン国民の生活に深く根付いてきました。ロペス一族によって経営され、「世界中のフィリピン人のために」というスローガンを掲げ、国内外のフィリピン人に向けて、多様な番組を提供してきました。

誕生から成長へ

1946年、Bolinao Electronics Corporationとして設立された同社は、1952年にAlto Broadcasting System（ABS）へと改名。1953年にはテレビ放送を開始し、1966年にはカラー放送へと移行するなど、技術革新を積極的に進めてきました。一方、ロペス一族は1956年にChronicle Broadcasting Network（CBN）を設立し、1967年にはABSとCBNが合併、現在のABS-CBNが誕生しました。

その後、テレビ、ラジオ放送に加え、海外向けケーブルテレビチャンネル「ザ・フィリピノ・チャンネル」や数多くの雑誌の発行など、事業を多角化。1993年にはフィリピン証券取引所に上場し、フィリピンメディア界のトップ企業としての地位を確固たるものにしました。

放送停止命令とその後

2020年5月、国家電気通信委員会（NTC）はABS-CBNに対し、放送免許の失効を理由に放送停止命令を発令しました。この決定は、政府による報道の自由への圧力との批判を受けました。 数えきれないほどの脱税疑惑も、放送停止の背景に潜んでいると報道されました。

この放送停止は、フィリピン国民に大きな衝撃を与え、多くの反政府デモが発生しました。しかし、その後もABS-CBNはデジタルプラットフォームを通じて情報発信を継続し、その影響力を維持し続けました。

2024年には、ポインター研究所の国際ファクトチェックネットワークのメンバーに認定され、情報発信における信頼性を高める取り組みにも注力しています。

多彩な番組ラインナップ

ABS-CBNは、ニュース、バラエティ、ドラマ、アニメ、音楽番組など、幅広いジャンルの番組を提供してきました。長寿番組も多く、国民に愛されてきた番組は数えきれません。

ニュース番組は、フィリピン国内の政治や経済、社会問題に関する情報を迅速かつ正確に伝えてきました。代表的な番組として、『The World Tonight』、『TV PATROL』、『BANDILA』、『ABS-CBN NEWS PATROL』などがあります。

バラエティ番組は、ゲームショー、オーディション番組、コメディ番組など、多様な内容で視聴者を魅了してきました。 『Kapamilya Deal or No Deal』、『Showtime』、『Goin' Bulilit』などは、高い人気を誇りました。

ドラマは、メロドラマやコメディドラマなど、幅広いジャンルが制作されています。長編ドラマは特に人気が高く、『Maalaala Mo Kaya』などは、フィリピン国民に愛される国民的ドラマとなりました。

アニメは、日本のアニメ作品を中心に、子供向けから大人向けまで幅広い作品が放送されてきました。代表的な作品としては、『デジモンテイマーズ』、『NARUTO -ナルト-|NARUTO_-ナルト-』、『スポンジ・ボブ』などが挙げられます。

フィリピンメディア界における存在感

ABS-CBNは、単なる放送局としてだけでなく、フィリピン社会や文化に大きな影響を与えてきました。その影響力は、放送停止命令後もデジタルプラットフォームを通じて維持されており、フィリピンメディア界における重要な存在であり続けるでしょう。 今後も、その動向から目が離せません。

関連事項

ザ・フィリピノ・チャンネル
アソシエイテッド・ブロードキャスティング・カンパニー
GMAネットワーク
MNL48

外部リンク

ABS-CBN Official site (英語)
ABS-CBN (ABSCBNnetwork) - Facebook
ABS-CBN (@ABSCBN) - X (旧Twitter)
ABS-CBN - YouTubeチャンネル
* ABS-CBN NEWS (英語)

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