ACOG

ACOG（Advanced Combat Optical Gunsight）について

ACOG（Advanced Combat Optical Gunsight：高度戦闘光学照準器）は、アメリカのトリジコン社が製造する銃器用照準器シリーズです。M16自動小銃やM4カービンへの装着を前提として設計されており、世界中の軍隊や法執行機関で広く使用されています。

ACOGの特徴

• - 電源不要の照準線発光: ACOGの最大の特徴は、照準線を発光させるために電源を必要としない点です。日中は光ファイバー式のライトチューブで、夜間などの暗所では内蔵されたトリチウムによって照準線が発光します。これにより、あらゆる環境下での使用が可能となっています。
• - 多様なモデル: モデルによって倍率や照準線の形状、色、機能が異なり、さまざまな用途に対応します。例えば、TA01NSNモデルは4倍の倍率を持ち、600mまでの弾道補正機構（BDC）を搭載しています。また、バックアップ用アイアンサイトも備えています。
• - 堅牢な設計: 過酷な環境下での使用を想定して設計されており、防水性能も備えているモデルが多いです。

主なモデル

• - TA01NSN: 4倍の倍率、600mまでのBDC、バックアップ用アイアンサイト、暗所での橙色発光が特徴です。
• - TA31RCO: 米軍採用モデルで、4倍の倍率、800mまでのBDC、赤色の逆V字型照準線（Chevron Reticle）が特徴です。バックアップ用アイアンサイトは省略されています。

- TA31RCO: アメリカ海兵隊ではM16対応型（A4CP）とM4対応型（M4CP）が存在します。M16対応型はキャリングハンドル装着に対応、M4対応型はピカティニーレールに装着します。
- M150CP: アメリカ陸軍採用モデルで、M4対応です。海兵隊のM4対応モデルに準じた設計で、レンズキャップが備わっています。

ACOGの運用

ACOGは、以下の国々の軍隊や法執行機関で採用されています。

• - アメリカ: アメリカ陸軍、アメリカ海兵隊、各種法執行機関
• - ジョージア: ジョージア陸軍
• - 台湾: 中華民国陸軍
• - アラブ首長国連邦: アラブ首長国連邦陸軍
• - イスラエル: イスラエル国防軍
• - アイルランド: アイルランド陸軍
• - イギリス: イギリス陸軍、イギリス海兵隊
• - オーストラリア: オーストラリア陸軍
• - ニュージーランド: ニュージーランド陸軍
• - フィンランド: フィンランド国防軍
• - ドイツ: GSG-9
• - 日本: 陸上自衛隊（射撃競技会で使用）

アメリカ軍での運用

アメリカ軍では、陸軍でM150、海兵隊でAN/PVQ-31の名称で採用されています。陸軍への導入は2008年12月、海兵隊は2005年10月に導入計画を開始しました。また、TA01NSNはM4A1用のSOPMODアクセサリーの一つでもあります。

その他

ACOGには、聖書の節を示す刻印が施されていたことがあり、批判を受けることとなりました。これはトリジコン社の創業者によって行われたもので、同社の企業姿勢が問題視される事態となりました。

注釈

トリジコン社の公式サイト

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