ACOUSTIC:LATTE

Every Little Thingが2005年2月16日にリリースした『ACOUSTIC:LATTE』は、グループ初の試みとなるアコースティック・コンピレーション・アルバムです。本作は、1998年から2004年までに発表された数々のシングルやアルバム収録曲を、アコースティックアレンジで再構築した意欲作となっています。単なるリミックスではなく、全ての楽曲でボーカルを録り直しており、新たな息吹が吹き込まれています。

アルバムは、前作『commonplace』から約1年ぶりのリリースとなり、既発曲がアコースティックバージョンで生まれ変わるというコンセプトが大きな話題を呼びました。リリース前後に開催された全国ツアー『every little thing commonplace tour 2004～2005』のパンフレットに付属した特典CDには、本アルバムにも収録された「water(s) (Acoustic Version)」と「鮮やかなもの (Acoustic Version)」の他、「stray cat (Acoustic Version)」が収録され、ファンにとっては貴重なアイテムとなりました。さらに、アルバムリリースに合わせて「NECESSARY」の新ミュージックビデオも制作されましたが、現在に至るまで商品化されていません。

本作はCD+DVD盤とCD盤の2形態でリリースされ、CD+DVD盤にはレコーディング風景やスペシャルインタビュー、ライブ映像作品『every little thing commonplace tour 2004〜2005』のダイジェスト映像が収録されたDVDと、24ページの特製ブックレットが同梱されています。これにより、音楽だけでなく、映像や写真を通して作品の世界観をより深く楽しむことができる構成となっています。

収録曲は、初期の代表曲である「FOREVER YOURS」から、「Time goes by」、「fragile」といったヒットシングル、そしてアルバムの人気曲「water(s)」、「鮮やかなもの」など、バラエティ豊かな選曲です。各楽曲は、アコースティック楽器を中心に、オリジナルの魅力を活かしつつ、新たな解釈が加えられています。例えば、「water(s)」は、アルバム収録時とは異なり、3拍子のリズムで演奏されています。また、「しあわせの風景」は、オリジナルではサビで転調する箇所が、本作では転調しないアレンジとなっています。

参加ミュージシャンは、Every Little Thingの持田香織（ボーカル）と伊藤一朗（アコースティックギター等）に加え、加藤薫、山口鷹、山田“Anthony”サトシ、林真史、中村康就など、豪華なサポートメンバーが名を連ねています。ストリングスには渡辺剛ストリングスとクラッシャー木村ストリングスが参加し、楽曲に深みを与えています。中村康就は、オルガンやマニピュレートの他、ヴァイオリン、キーボード、マリンバ、グロッケンシュピールなど多岐にわたる楽器を演奏し、アルバム全体のサウンドを彩っています。

『ACOUSTIC:LATTE』は、Every Little Thingの新たな一面を魅せるだけでなく、過去の楽曲をアコースティックというフィルターを通して再評価するきっかけとなった、重要な作品と言えるでしょう。

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