ACTION (B'zのアルバム)

B'zの16作目アルバム『ACTION』

2007年12月5日にリリースされた「ACTION」は、B'zの16枚目のオリジナルアルバムであり、彼らの結成20周年を記念した作品です。このアルバムには、過去最も多い17曲が収録されており、製作される過程では元々23曲が完成していたといいます。しかし、アルバムに収められたのは、メンバーの意向を反映した厳選された曲たちです。

曲の制作は前年の9月から始まりましたが、ロサンゼルスでの試行錯誤を経て、結局初めの段階では一曲も完成しなかったこともあったそうです。メンバーの松本は、「こんなに曲作りがうまくいかなかったのは初めてだ」と振り返ります。以降、アレンジャーに寺地秀行を迎え、改めて曲作りを進めることで制作がスムーズに進展しました。このプロセスから、寺地はB'zのメインアレンジャーとしての役割を果たし、後の作品にも関与していくこととなります。

多様な音楽スタイル

「ACTION」の特徴として挙げられるのは、B'zがこれまでのスタイルからの脱却を目指したことです。従来のハードロックやバラードのみならず、ラテン、ジャズ、1950年代のアメリカンポップスなど、多様なジャンルの要素を取り入れた楽曲が揃っています。曲構成も複雑で、ギターサウンドがほとんど存在しないものや、DセクションやEセクションまである曲が収められている点は、過去の作品とは大きく異なる試みといえるでしょう。

アルバム・タイトルの「ACTION」は、当初考えられていた「光」というタイトルから派生しています。これは、曲作りの過程でメンバーが「光を求めてアクションを起こす」というテーマを意識したからです。歌詞には、「光」という言葉やそれを連想させる表現が多く用いられており、アルバム全体を通してこのテーマが貫かれています。

チャートと業績

このアルバムはオリコンアルバムチャートで1位を獲得し、B'zにとって13作連続、通算21作目の1位となりました。また、松任谷由実と並ぶ歴代1位となるなど、その商業的成功も目を引きます。リリース時点において、シングルとアルバムの主要6部門の内、アルバム1位獲得数を除く5部門で歴代1位となっており、業界初の記録を達成したことでも話題を呼びました。

収録曲の魅力

収録された楽曲は、多様なテーマや感情を表現しており、特に表題曲の「純情ACTION」は心の動きを素直に表現することに焦点を当てています。また、「黒い青春」や「満月よ照らせ」、「わるいゆめ」など、各曲はその楽器構成や歌詞の意味においても深みが感じられ、聴く者を引き込む魅力があります。特に「僕には君がいる」は、シンプルなアレンジながらも深いメッセージを持っており、聴く人々に強く響くでしょう。

ライブ活動とリリース

「ACTION」はライブ未演奏の曲が多いオリジナルアルバムとしても知られ、アルバムリリース後のツアーにおいて、そのいくつかの楽曲が演奏されることとなりました。また、本作は2018年のB'z結成30周年を記念し、アナログレコードとしてもリリースされています。

このアルバムはB'zの音楽的冒険を象徴する作品と言えるでしょう。様々なスタイルを融合させた楽曲たちは、リスナーにとって新たな感覚をもたらし、今も色褪せることのない名盤です。

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