ADGZ装甲車

ADGZ装甲車について

ADGZ装甲車、正式にはアーデーゲーツェット装甲車（M35中型装甲車）は、1930年代にオーストリア陸軍によって開発された装輪の装甲車です。この車両は特に警察や国境警備隊のために設計され、オーストリアの防衛力を強化することを目的としていました。

開発の背景

ADGZの開発は1930年頃に遡り、当初は警察向けの用途を考慮していました。1933年には、オーストロ・ダイムラー・ブッフヴェルケによって初期の試作車が完成しましたが、これは後のADGZとは異なり、6輪トラックを改造したものでした。この試作車は、装甲車両としての本来の特性を持っていませんでしたが、その後の改良につながる重要なステップとなりました。

設計と特徴

1934年、ADGZは新たな試作車両として再設計され、M612水冷式ガソリンエンジンを搭載しました。この試作車は傾斜装甲で被覆されおり、中央の4輪が駆動する構造を持っていました。残りの4輪は空転し、運転操作のみに用いられるように設計され、実質的には8輪の重装甲車として機能しました。

生産と運用

1938年、オーストロ・ダイムラー・ブッフヴェルケはADGZ装甲車を27輌生産しました。これらの車両はオーストリア陸軍に引き渡され、その後ダンツィヒの警察によって活用されました。特に、戦争が進行する中で警察や防衛部隊による使用が増えていくこととなります。

1941年には、製造元のシュタイアー社がナチス親衛隊から25輌の発注を受けることになります。この発注を受けて、1942年中に各車両が引き渡され、これらは東部戦線での前線後方の警備任務に従事しました。

性能と役割

ADGZ装甲車は、その装輪の特性により、舗装路や非舗装路の両方で優れた機動性を発揮することができました。また、その傾斜装甲は防御力を高め、敵の火器に対する耐久性を向上させる役割を果たしました。このような特徴から、警察や軍事登用の場での多様な作戦において重宝されました。

まとめ

ADGZ装甲車は、オーストリア陸軍によって開発された歴史的な装甲車両であり、その独特な設計と運用方法は第二次世界大戦前の技術革新を象徴しています。終戦後も、そのデザインや運用に関する研究は続けられ、現在でも多くの興味を引き続けています。これに関する文献もいくつかあり、今後の研究のための貴重な資料となっています。

もう一度検索