AFCアジアカップ2004

AFCアジアカップ2004 概要

AFCアジアカップ2004は、中華人民共和国で行われた第13回のアジアサッカー選手権です。この大会は、2004年7月17日から8月7日までの間に、北京市、重慶市、成都市、済南市の4都市で開催されました。日本代表は前回大会に引き続き優勝を飾り、FIFAコンフェデレーションズカップ2005への出場権を得ました。また、最優秀選手には中村俊輔が選ばれました。

大会の総括

日本の連覇

日本代表は、アテネオリンピックへのオーバーエイジ参加を優先した小野伸二と高原直泰を欠き、さらに負傷者も多く、多くの主力選手を欠いた状態で大会に挑みました。しかし、中村俊輔の好調ぶりや、海外での経験が少ない国内組選手たちの意気込みがあったおかげで逆境を乗り越え、決勝トーナメントでは苦しみながらも勝利を重ねた結果、見事に連続優勝を果たしました。

各国の競技力の向上

大会に参加したバーレーンやヨルダンなどの国々は飛躍的な成長を見せ、前回大会には出場すらできなかった両国がそれぞれベスト4とベスト8に進出しました。この背景には出場枠が増えたことがあり、AFC会長は「競技レベルは前回以上のものがある」と高い評価を与えています。しかしカタール代表監督は結果不振により大会中に解任される不運もありました。

中国の激しいサポーター

日本代表はグループリーグから決勝まで、激しいブーイングに直面しました。特に準々決勝のヨルダン戦では、国歌演奏時に観客が半数以上が座ったままとなり、さらにはPK戦の際にも日本の失敗に歓声が上がる場面も見られました。日本の勝利後も日本サポーターに向けてゴミが投げられるなど、非常に緊張した雰囲気が続きました。中国国内の若者たちが国への不満を共有する機会として、試合観戦を楽しんだのも印象的です。中国メディアはこれらの愛国的な行動に対し、スポーツと政治を混同しないように警告をしています。

イラク代表の奮闘

イラク代表は、イラク戦争の影響で多くの選手を失い、困難な状況にありましたが、AFCユース選手権2000で成功した世代が中心となり、新しい挑戦をしました。当初は評価が低かった彼らでしたが、サウジアラビアに勝利し、決勝トーナメントへ進出。後にアテネオリンピックでの4位入賞やAFCアジアカップ2007での優勝に結びつく経験を積むことができました。

PK戦の際のサイド変更

準々決勝の日本とヨルダンの試合では、PK戦の最中に芝の状態が原因でサイドが変更される出来事がありました。日本のキッカー２人が滑り、苦しい立ち上がりとなりましたが、最終的には川口能活が神業のセーブを連発し、日本が勝利を手にしました。この試合はスリル満点でした。

まとめ

AFCアジアカップ2004は、様々なドラマが展開された大会で、日本代表の二連覇、期待以上の結果を残した国々、そして試合中の観客の行動が印象に残りました。各国チームの競技力向上や、特異な日本と中国の関係性が反映された注目の試合が多かったです。

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