AFLグランドファイナル

AFLグランドファイナル

AFLグランドファイナル（AFL Grand Final）とは、オーストラリアン・フットボール・リーグ（AFL）のシーズンを締めくくる優勝決定戦であり、オーストラリアンフットボールにおける最も栄誉ある大会です。その注目度は非常に高く、全豪オープン（テニス）、メルボルンカップ（競馬）と並び、オーストラリア国内で最も大きなスポーツイベントの一つに数えられています。

歴史

この伝統ある大会の起源は、AFLの前身であるVFL（ヴィクトリアン・フットボール・リーグ）時代の1897年に遡ります。最初のグランドファイナルが開催されて以来、その人気は高まっていきました。特に1902年以降は、メルボルン・クリケット・グラウンド（MCG）が主要な開催地として定着します。ただし、第二次世界大戦中など、特別な事情がある場合は他の会場が使用されたこともありました。

1950年代に入ると、グランドファイナルの人気はさらに加速します。1956年のメルボルンオリンピック開催を控えた時期には、観客の熱狂ぶりから入場制限が行われるほどの盛況ぶりで、この年から初めてテレビでの中継も開始され、より多くの人々にその興奮が届けられるようになりました。

観客動員数の面でも、グランドファイナルは驚異的な記録を持っています。特に1970年には、歴代最高の観客動員数となる12万1,696人を記録しました。これは、世界のあらゆるスポーツにおける一発勝負の決勝戦としては、屈指の入場者数を誇るものです。その後、リーグは1990年にVFLから現在のAFLへと名称を変更し、大会名もAFLグランドファイナルとなりました。2006年には、コモンウェルスゲームズの準備のために一時的に入場が制限されることもありましたが、その人気は揺るぎないものとなっています。

栄誉と記録

グランドファイナルで勝利し、シーズンチャンピオンの栄誉を手にしたチームには、「プレミアシップカップ」と「プレミアシップフラッグ」が授与されます。また、決勝戦において最も卓越したパフォーマンスを見せた選手には、「ノーム・スミス・メダル」が贈られ、その活躍が称えられます。

大会の歴史の中には、特筆すべき記録も生まれています。例えば、AFL発足後の試合で最大の得点差がついた決勝戦は、2007年のジーロング・キャッツ対ポート・アデレード・パワー戦です。この試合でジーロング・キャッツは163対44という圧倒的なスコアで勝利し、119点差での圧勝を飾りました。ジーロングにとっては、この勝利がAFLに改称して以来初めてのプレミアシップ獲得となりました。

歴代優勝チーム（1990年以降）

AFLグランドファイナルは、毎年新たなドラマを生み出してきました。以下に、1990年にAFLとなってからの歴代優勝チームを示します。

1990年：コリングウッド・マグパイズ
1991年：ホーソーン・ホークス
1992年：ウェストコースト・イーグルス
1993年：エッセンドン・ボンバーズ
1994年：ウェストコースト・イーグルス
1995年：カールトン・ブルース
1996年：ノースメルボルンカンガルーズ
1997年：アデレード・クロウズ
1998年：アデレード・クロウズ
1999年：ノースメルボルンカンガルーズ
2000年：エッセンドン・ボンバーズ
2001年：ブリスベン・ライオンズ
2002年：ブリスベン・ライオンズ
2003年：ブリスベン・ライオンズ
2004年：ポート・アデレード・パワー
2005年：シドニー・スワンズ
2006年：ウェストコースト・イーグルズ
2007年：ジーロング・キャッツ
2008年：ホーソーン・ホークス
2009年：ジーロング・キャッツ
2010年：コリングウッド・マグパイズ（引き分け再試合）
2011年：ジーロング・キャッツ
2012年：シドニー・スワンズ
2013年：ホーソーン・ホークス
2014年：ホーソーン・ホークス
2015年：ホーソーン・ホークス
2016年：ウェスタン・ブルドッグス
2017年：リッチモンド・タイガース
2018年：ウェストコースト・イーグルス
2019年：リッチモンド・タイガース
2020年：リッチモンド・タイガース
2021年：メルボルン・デーモンズ
2022年：ジーロング・キャッツ
2023年：コリングウッド・マグパイズ
* 2024年：ブリスベン・ライオンズ

毎年、オーストラリア国内で最も注目されるイベントとして、その歴史と伝統はこれからも受け継がれていくでしょう。

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