AGM (モジュール)

AGM（Artillerie-Geschütz-Modul）

AGMはドイツのクラウス＝マッファイ・ヴェクマン社が開発した自律化された砲モジュールで、特に自走榴弾砲としての利用が広がっています。一般的には、台車部分と一体で考えられがちですが、AGM自体は実際には砲塔のモジュールを指します。このシステムは、従来の砲撃任務からC-RAM（Counter Rocket, Artillery, and Mortar）やネットワークを利用した戦場での運用に至る多様な用途に対応しており、砲の搭載車両の重量に左右されるものの、輸送に適した自走砲を構成できる点が魅力です。

構造と機能

AGMの基本的な構成には、52口径の155mm榴弾砲が装備されています。この榴弾砲はPzH2000と同じ電動の自動装填装置を用いたもので、無人での装填や排莢が可能です。砲塔は軽量なアルミニウム製の装甲を持ち、最大で30発の弾薬を搭載できますが、装薬は145発分を搭載できる余裕を持っています。

搭載できる車両には、6x6または8x8の装輪車両や装軌車両が含まれており、AGMは39口径砲や105mm砲も使用できる柔軟性を持っています。初期のデモンストレーターとしては2004年に製造された2台があり、その内の1台はMLRS（多目的自走ロケットシステム）の車体を使用した自走砲の形で披露されています。このモデルの自動装填装置は後付けであり、車両の総重量は22.5トンと、PzH2000の半分以下です。このため、A400M輸送機による空輸が可能です。

2006年には、すべての機能が揃った第2世代モデルが生産され、これは2名のオペレーターによる操作が可能で、1,000発以上の発射テストを行った結果、2007年にはシステムとしての完成を果たしました。この段階で、AGMはその実用性と信頼性が証明されたのです。

発展と将来展望

その後、2008年にはジェネラル・ダイナミクス・ユーロピアン・ランドシステム（GDELS）と共同で「ドナー」と呼ばれる発展型の開発が始まっています。この新しいシステムはAGMを更に進化させたもので、今後の戦闘シーンにおける多様な要求に応えることが期待されています。

AGMはその性能の高さから、現代の軍事戦略における重要な武器システムとして位置付けられており、将来的にはさらなる技術革新や派生モデルの登場も見込まれています。自走砲技術の進化は、今後の戦場の様相を大きく変える要素となるでしょう。

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