AIM-120 (ミサイル)

AIM-120 AMRAAM (Advanced Medium-Range Air-to-Air Missile)

AIM-120 AMRAAMは、アメリカ合衆国においてヒューズ社が開発した中距離空対空ミサイルです。現在はレイセオン社が引き続き生産と派生型の開発を実施しています。このミサイルは1975年から開発が始まり、1982年に全規模開発契約（FSD）が結ばれたことにより、その実用化が進みました。1991年にはアメリカ空軍が初期作戦能力を獲得し、1992年から本格的な生産が開始されました。

開発の流れ

AMRAAMは、AIM-7スパローの後継としての役割を求められ、様々な改良が加えられてきました。1987年の低率初期生産（LRIP）を経て、1991年に最初の運用が開始され、1994年にはAIM-120B型、1996年にはAIM-120C型が登場しました。AIM-120C型はステルス機への搭載を考慮し、形状の最適化が行われました。その後も、AIM-120D型の開発が進められ、最新の技術が採用されています。

特徴と性能

AMRAAMの主な特徴は「撃ちっ放し能力」と「同時多目標攻撃能力」です。これにより、発射母機はミサイルを発射した後に回避行動を取ることが可能となり、生存性が向上します。従来のミサイルとは異なり、AMRAAMは自らのレーダーで誘導を行うアクティブ・レーダー・ホーミング（ARH）方式を採用しており、より効率的に目標を追尾できます。また、ECCM能力にも優れており、電子妨害に対しても強い耐性を持ちます。

さらに、これまでのミサイルに比べて小型化されており、機体の負荷を軽減し、同時に多くの弾薬を搭載できるようになっています。そのため、攻撃機や護衛艦などさまざまなプラットフォームに導入されています。

改良と派生型

AMRAAMには多くの派生型が存在し、それぞれに特徴があります。例えば、AIM-120A、B、C、Dの各型があり、D型は最新のモデルとして、射程や精度の向上が図られています。特にAIM-120D型は、衛星航法システム（GPS）や高性能なレーダー機器を内蔵し、最大射程を1.5倍に伸ばすことに成功しました。

実戦使用

AMRAAMは1992年のイラクにおける実戦で初めて使用され、以降もさまざまな軍事作戦で活躍しています。特にユーゴスラビア紛争でもその実力を証明しました。アメリカだけでなく、導入国も多岐にわたり、ヨーロッパ諸国や自衛隊でも使用されています。

日本における運用

日本でも航空自衛隊がAIM-120B型とC型を試験的に導入しましたが、99式空対空誘導弾に置き換えられています。しかし、F-35AにはAIM-120の導入が望まれ、数度にわたってアメリカからの輸出が承認されています。

結論

AIM-120 AMRAAMは、その多様な改良と派生型によって現代の航空戦において欠かせない存在となった中距離空対空ミサイルです。将来にわたる技術の発展により、さらなる進化が期待されています。

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