AIM-4 (ミサイル)

AIM-4 ファルコン

AIM-4ファルコン（英: Falcon）は、アメリカのヒューズ社が開発した空対空誘導ミサイルで、アメリカ空軍に初めて導入されたものである。1946年から開発が始まり、当初は爆撃機の自衛用として設計されたが、次第に戦闘機向けのミサイルへとシフトしていった。1951年に初めて試射が行われ、最初はAAM-A-2として知られ、ファルコンという名称もその時に与えられた。何度か改称を経て、1962年にはAIM-4として統一された。

開発の経緯

ファルコンの開発は1946年に始まり、最初は亜音速ミサイルとして企画されていたが、すぐに超音速ミサイルの方向へと転換された。開発の中心となったのはヒューズ社であり、最初の試射は1949年に行われた。それ以降、1955年には「GAR-1」などの名称が変更され、さまざまな型が開発された。特に、1958年にはスーパー・ファルコンとして知られる改良型が登場し、運用機種もF-84 サンダージェット戦闘機に搭載された。

運用と特性

ファルコンはその運用開始以来、F-89、F-101B、F-102などの戦闘機に搭載され、数十年にわたりアメリカ航空軍の主力ミサイルとして運用されてきた。最初のモデルが1956年に運用を開始した時、その設計には機内にウェポンベイを備えた機体が多く、F-102やF-106などは内部にミサイルを搭載するための特殊な機構を持っていた。F-89は翼端にポッドを取り付ける形で運用されたが、F-101Bでは搭載するミサイルの配置が新たな技術を用いて行われた。

ファルコンの発射は、赤外線誘導とセミアクティブ・レーダー誘導の2種類の誘導方式を持っていた。これにより、ミサイルを複数発射することで、命中率を高める戦術が普及した。だが、冷却時間や追尾精度の問題があり、特にベトナム戦争時にはその存在意義が問われることになった。ファルコンの弾頭は比較的小さく、近接信管も装備されていなかったため、威力に限界があった。

戦績と後継

アメリカ空軍はファルコンを用いていくつかの実戦に投入したが、その戦績は芳しくなかった。特に、ベトナム戦争期间にはF-4の機体に装備されたAIM-4Dが使用されたが、ロックオンの遅れや弾頭の小ささから、撃墜数はわずか5機に留まった。ファルコンの運用は1973年には終了し、その後はAIM-9サイドワインダーなどの新しいミサイルに取って代わられた。

型番

AIM-4ファルコンは、さまざまなバリエーションが存在する。AIM-4（GAR-1）は初期モデルであり、セミアクティブ・レーダー誘導を用いていた。一方、AIM-4B（GAR-2）は赤外線誘導型で、AIM-4Dは初期型ファルコンの最終バージョンであった。スーパー・ファルコンであるAIM-4EやAIM-4Gは、より改良された誘導技術を持ち、延長された射程を確保していた。

AIM-4シリーズは、アメリカ空軍だけでなく、カナダなどの他国にも輸出されたが、最終的には各型の後継機によってその役割は徐々に置き換えられていった。これにより、空対空ミサイルのデザインと運用戦術が進化を遂げていくことになった。

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