AN/AAS-42

AN/AAS-42: アメリカの赤外線センサーシステム

AN/AAS-42は、アメリカのゼネラル・エレクトリック社（現在はロッキード・マーティン）の手によって開発された赤外線センサーシステム（IRST）です。この技術は、主に空中での探知能力を高めることを目的としており、数々の戦闘機に搭載されています。

開発の経緯

AN/AAS-42の開発は1988年の夏に始まりました。最初の試験は、アメリカ空軍のF-15に搭載されて行われましたが、同年の後半からはアメリカ海軍のF-14Aの改良型に搭載され、試験が続行されました。初めての量産機は1992年に完成し、この機体はF-14Dに搭載されました。これにより、1994年2月からは、空母「カール・ヴィンソン」において艦隊配備が始まりました。

技術的特性

AN/AAS-42は、256個の素子を使用した焦点面アレイ（FPA）を備えています。このセンサーは、8-12マイクロメートルの波長範囲の赤外線を探知することができ、非常に高い感度を持っています。また、センサー部は液体窒素で冷却されており、温度変化による影響を受けにくい設計となっています。

視野角はおよそ150×150度であり、敵機や地上目標の探知を効率的に行えるようになっています。F-14D機では、センサーヘッドが機首の下面に搭載され、データ処理用のプロセッサが機内に収容されていますが、技術の進歩に伴いポッド型のセンサーシステムも開発され、F-14以外の戦闘機でも使用可能となっています。

対応機種

AN/AAS-42は、以下のような様々な航空機に搭載されています。

• - F-14D
• - F-15C（ポッド式、近代化改修機が対応）
• - 一部のF-16機体
• - F/A-18E/F Block 2（ポッド式、2008年度より対応）
• - F-15K/SG（タイガーアイの一部として）

この多様な対応機種により、AN/AAS-42は多数の戦闘機における戦闘能力を強化する重要な要素となっています。

今後の発展

AN/AAS-42の発展型として知られるIRST21も開発され、さらなる性能向上が期待されています。このように、AN/AAS-42は単なる軍事技術にとどまらず、現代の航空戦で欠かせないセンサーシステムの一環として進化を続けています。

参考文献

• - 月刊軍事研究 2011年10月号

さらに詳細な情報や最新の技術については、ロッキード・マーティンの公式サイトや関連資料を参照してください。

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