AN/APG-77

AN/APG-77レーダーについて

AN/APG-77は、アメリカのノースロップ・グラマンとレイセオンが共同で開発した、F-22戦闘機に搭載されるレーダーシステムです。このレーダーは、射撃指揮と多機能性を兼ね備えており、現代戦闘において重要な役割を果たしています。

技術的特長

AN/APG-77はアクティブ・フェイズドアレイ（AESA）型アンテナを採用しており、これにより高い探知能力を持ちます。周波数拡散技術を用いることで、特定の周波数帯での出力を抑えることが可能になり、結果として低被探知（LPI）状態を維持することができます。これにより敵に見つかりにくく、逆探知から逃れることができるため、戦場での優位性を持つことができます。

多目標対処能力

AN/APG-77は、捜索中追尾（TWS）の機能を兼ね備え、多くの目標を同時に扱うことができます。この多様なモードの組み合わせにより、優れた索敵能力と高い信頼性を発揮し、複雑な戦場環境でも効率的に機能します。

高性能なアンテナ

このレーダーは、直径90cmのアンテナに約1,500から2,000個の小型送受信モジュールを装備しています。これにより、約250kmの探知距離を持っており、電子走査式であるため、約10ナノ秒という瞬時の速度で照射方向を変更できます。捜索範囲は、垂直と水平方向共に120度です。

開発の歴史と生産

AN/APG-77は1990年代に開発が始まり、これまでに100機以上が生産されています。また、その技術は新型のAN/APG-81|AN_APG-81レーダーに転用されており、F-35戦闘機向けにも搭載されています。さらに、改良型のAN/APG-77(v)1も開発されており、高解像度合成開口レーダーや逆合成開口レーダーを搭載し、対地走査能力が向上しています。これによって、地上目標のマッピングだけでなく、地上移動目標の識別や追尾も行えるようになっています。

関連システム

AN/APG-77は、AN/APG-81|AN_APG-81やF-16E/F向けのAN/APG-80|AN_APG-80など、他のレーダーシステムにも影響を与えています。また、ロシアが開発したレーダーシステムであるベルカも、AN/APG-77に相当するとされています。

まとめ

AN/APG-77は、最新の技術を活用した高性能レーダーであり、現代航空戦において重要な役割を果たしています。その多機能性や優れた探知能力は、F-22の戦闘力を大いに高める要因となっています。今後もこのレーダーの技術は、航空機や他の防衛システムにおいて重要な役割を担い続けるでしょう。

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