ASC (オーストラリア企業)

ASC非公開株式有限会社（ASC Pty Ltd）

ASC非公開株式有限会社は、オーストラリア南オーストラリア州アデレードのオズボーンに本社を構える造船業者です。この会社は、オーストラリア政府などの出資によって設立されました。ASCは、主に潜水艦の建造と保守管理を手掛けており、その活動はオーストラリアの国防において重要な役割を果たしています。

会社の設立と歴史

ASCは、1990年代に入る前に、スウェーデンのコックムス社とオーストラリアのシカゴ・ブリッジ・アンド・アイアン社、そしてウォーマルド・インターナショナル、さらにオーストラリア産業開発公社の合弁事業として創設されました。この合弁は、オーストラリア海軍向けにコリンズ級潜水艦を建造することを目的としていました。

1987年6月29日、オーストラリア政府は潜水艦建造のための契約を結び、1989年11月にはオズボーンに新しい造船所が開設されました。この場所は、労働組合による問題を最小限に抑えるために選ばれました。設立当初は諸社の持ち株比率が次々と変わり、1990年にはコックムス社とウォーマルド社が持ち株を売却し、オーストラリア企業がその多くを引き受けました。結果的に、ASCは徐々に国営企業としての色彩を強めていきました。

2004年に会社名がASC Pty Ltdに変更され、潜水艦の建造と保守整備に特化した企業としての認識が高まりました。この名称変更は、ASCが築いてきた伝統と実績を象徴するものでもあります。

建設・開発の歩み

1987年、オーストラリア政府は6隻の国産潜水艦を建造する契約を結び、これは国内防衛調達の中では最大規模のものでした。コリンズ級潜水艦は開発の過程で様々な課題に直面しましたが、最終的には当時最も進んだ通常動力型潜水艦として竣工を迎えました。しかし、その高額な建造コストに加えて、実際の運用において数多くの不具合も抱えることになりました。 ASCは、これらの潜水艦を保守するための35億オーストラリア・ドル規模の契約をオーストラリア海軍と結び、運用寿命が尽きるまでの維持管理を行っています。

ASCは2005年、SEA 4000プロジェクトに選ばれ、イージスシステムを搭載した新型防空駆逐艦の建造を担当することになりました。この新しい艦船は、2013年度に就役する予定です。また、ASCはコリンズ級潜水艦の退役を見据えた次世代潜水艦建造計画も推進しており、12隻の新しい潜水艦の調達を見込んでいます。ここでも、日本からの技術導入が期待されています。

最新の動向

2014年11月には、国防相がASCの能力に疑問を呈し、大きな波紋を呼びましたが、政府の首脳陣はその能力を擁護しました。ASCは、国防分野での重要性を持つ企業として、新たな可能性を模索し続けています。

ASCの存在は、オーストラリアの国防業界において非常に重要な意味を持っており、将来的な展望を持ちながら、潜水艦建造とその保守に関する技術を進化させていくでしょう。

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