AWS Lambda

AWS Lambdaは、Amazon Web Services (AWS) が提供するクラウドコンピューティングサービスの一つで、イベントに応じてプログラムを実行できる環境を提供します。2014年11月にサービスが開始され、サーバーの管理を気にすることなく、プログラムの実行に集中できる点が大きな特徴です。

AWS Lambdaの特徴

AWS Lambdaの最大の利点は、プログラムを登録するだけで実行できる手軽さにあります。従来のAmazon EC2などのサービスでは、仮想サーバーの構築やOSのインストール、アプリケーションのデプロイといった複雑な手順が必要でしたが、AWS Lambdaではこれらの手間が不要です。利用者は、プログラムの実行環境のみを提供されるため、インフラの管理から解放されます。

登録されたプログラムは「Lambda関数」と呼ばれ、特定のイベントをトリガーとして実行されます。以前は、イベントをトリガーとするプログラムを実行するためには、常に稼働しているサーバー上でイベントを監視するアプリケーションが必要でしたが、AWS Lambdaではイベント発生時のみプログラムが実行されるため、リソースの効率的な利用が可能です。つまり、AWS Lambdaがイベントの監視を代行してくれると考えることができます。

イベントのトリガーとしては、Amazon API Gatewayを通じたHTTPリクエストや、Amazon S3やAmazon DynamoDBといったAWSの各種サービスにおけるデータ変更の検知などが挙げられます。また、プログラムの実行に必要な処理能力は、イベント発生時に自動的に割り当てられるため、イベントの頻度が増加しても、安定した処理速度を維持することが可能です。例えば、テレビゲームのイベントのように一時的に負荷が集中する場合でも、AWS Lambdaを活用することで、サーバーのリソースを必要な時に必要な分だけ確保できるため、コスト効率よく対応できます。

さらに、AWS Lambdaは「Lambda@Edge」という機能も提供しています。これは、Amazon CloudFrontのCDN上でLambda関数を実行するもので、利用者に近い場所でプログラムを実行できるため、レスポンスの向上や負荷分散に役立ちます。

対応するプログラミング言語も多岐にわたり、Java、Go、PowerShell、Node.js、C#、Python、Rubyなどがサポートされています。また、サードパーティ製のフレームワークやSDK、ライブラリなども「Lambda Layer」というパッケージにまとめることで、複数のLambda関数で共有することが可能です。これにより、開発者は共通のライブラリを効率的に利用し、開発の効率を高めることができます。

料金体系

AWS Lambdaの料金体系は、実行時間、実行回数、および割り当てられたメモリ量に基づいた従量課金制です。プログラムが実行された時間（ミリ秒単位で切り上げ）と、実行回数、割り当てたメモリ量に応じて料金が変動します。また、無料利用枠も提供されており、毎月100万回の実行回数と、メモリの割り当て量に応じた最大320万秒の実行時間を無料で利用できます。

AWS Lambdaは、サーバーレスで柔軟なスケーラビリティを持つため、Webアプリケーション、モバイルバックエンド、データ処理、リアルタイムストリーミングなど、幅広い分野で活用されています。

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