Angel hearts (アルバム)

中山美穂8thアルバム『angel hearts』：80年代後半を彩る珠玉のポップス

1988年12月5日、中山美穂の8枚目のオリジナルアルバム『angel hearts』がキングレコードよりリリースされました。同年末には『FNS歌謡祭』でグランプリを獲得した先行シングル「Witches」も収録されており、アルバムバージョンではシングル版にはない歌詞が追加され、より深く情感豊かな仕上がりとなっています。

アルバムには、中山美穂本人が「北山瑞穂」名義で作詞を手掛けた「Sweetest Lover」も収録されています。この楽曲は、彼女がパーソナリティを務めていたラジオ番組『中山美穂 P.S. I LOVE YOU』（ニッポン放送）のオープニングテーマとして使用され、親しみのあるメロディーと歌詞で多くのリスナーの心を掴みました。後にアレンジを変えたバージョンがアルバム『manifesto』に収録されるなど、長く愛され続ける一曲となっています。

『angel hearts』には、「Witches」以外にも、ドラマ挿入歌として使用された「Too Fast, Too Close」、CINDYによるセルフカバーも存在する「天使の気持ち」など、バラエティ豊かな楽曲が収録されています。「Too Fast, Too Close」は後にダンスバージョンが制作され、シングル「女神たちの冒険」のカップリング曲として収録されるなど、アルバムからの派生作品も多数存在します。

アルバム発売と同時に、収録曲をフィーチャーしたイメージビデオ『心の夜明け L'Aube de mon cœur』もリリースされました。このビデオは、アルバムの世界観を映像で表現し、多くのファンを魅了しました。

1988年1年間だけで4枚ものアルバムをリリースした中山美穂は、同年の大晦日には『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たすなど、その年の音楽シーンを代表するアーティストの一人として活躍しました。

『angel hearts』は、その後も様々なフォーマットで再発売されました。2015年には、デビュー30周年を記念した企画の一環として、これまでにリリースされたアルバム25作品と共に再発売。さらに、2020年にはサブスクリプションサービスでの配信も開始され、現代においても幅広い世代に聴かれる機会が増えました。

2022年には、『ONE AND ONLY』『Mind Game』『Hide'n' Seek』と共にSACDハイブリッド盤としてタワーレコード限定で発売されました。このSACDには、「Witches」のシングルバージョンとカップリング曲「誓いを破って」、そして両曲のインストゥルメンタルバージョン、さらに「Too Fast, Too Close」のダンスバージョンがボーナス・トラックとして追加収録されており、ファンにとって貴重な音源となっています。

『angel hearts』は、80年代後半の音楽シーンを象徴する作品であり、中山美穂の音楽キャリアにおいて重要な位置を占めるアルバムと言えるでしょう。様々なバージョンでリリースされ、現在も聴き継がれているその魅力は、時代を超えて多くのリスナーを惹きつけています。収録されている楽曲の多様性、そして、それぞれの楽曲に込められた情感豊かな歌詞とメロディーは、このアルバムの大きな魅力となっています。当時を知る世代には懐かしさ、そして今の世代には新鮮な感動を与える、まさにタイムレスな名盤と言えるでしょう。

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