AppleShare

AppleShareとは、Apple Filing Protocol（AFP）を用いたファイル共有の仕組み、あるいはそれを実現するためのApple Computer（現Apple）のサーバソフトウェア製品を指します。Classic Mac OSやmacOS環境では、AFPによるファイル共有を特に「AppleShare」と呼び、他のファイル共有方式と区別します。例えば、AFPボリュームをマウントした際に表示される情報には「フォーマット: AppleShare」と示されます。

AppleShareのソフトウェア製品は、当初AppleTalkをベースとしたファイルサーバ機能を提供していましたが、バージョン5.0以降の「AppleShare IP」では、TCP/IPベースのAFP over TCP、プリントサーバ（Printer Access Protocol: PAP）、Webサーバ、電子メールサーバ、FTPサーバなど、多様なネットワークサービスを統合しました。さらに、SMB/CIFSプロトコルをサポートすることで、Windowsクライアントとのファイル共有も実現しました。また、Macintosh Managerによるユーザ管理や、リモート管理ツールApple Network Assistantも搭載され、ネットワーク管理機能も強化されました。

Classic Mac OSでは、「パーソナルファイル共有」設定でAFPサーバとして動作させることも可能でしたが、同時接続ユーザ数やボリューム数などに制限がありました。AppleShareソフトウェアは、これらの制限を解消し、より大規模なAFPサーバを構築するために利用されました。

なお、AppleShareという名称は、ファイル共有の仕組みとソフトウェア製品の両方を指すため、文脈によってどちらの意味で使われているかを判断する必要があります。また、「AFP over TCP」をAppleShare IPと呼ぶケースがありますが、これは厳密には間違いで、AppleはAppleShare IPをソフトウェア製品名としてのみ使用しています。

AppleShareの機能は、Classic Mac OSの終了後、Mac OS X Server（現在のmacOS Server）に統合されました。また、Apple Network Assistantは、同様の機能を持つApple Remote Desktopに置き換えられました。

最終バージョンは、Mac OS 9.1に対応したAppleShare IP 6.3.3です。

関連技術として、ネットワーク共有を容易にするBonjour（旧名Rendezvous）、macOS Server、Apple Remote Desktopなどが挙げられます。

詳細については、Appleが提供するドキュメント（AppleShare IP サポートやAppleShare Developer Documentation）をご参照ください。

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