Ar 80 (航空機)

アラド Ar 80について

アラド Ar 80（Arado Ar 80）は、1933年にドイツで提案された後継戦闘機の設計に基づいて開発された航空機です。この機体は、ドイツ航空省が後のハインケルHe 51の後継機として求めた仕様をもとにしたもので、主に単発・単葉式の設計が特徴です。

開発の経緯

アラド社は、1933年から1935年にかけて、ハインケルHe 51に代わる新しい戦闘機としてアラド Ar 80の開発に着手しました。この機体は他の競合機種、すなわちメッサーシュミットBf 109、ハインケルHe 112、フォッケウルフFw 159と比較されながら審査が行われました。

特筆すべきは、アラド Ar 80の脚が固定式であった点です。固定車輪の採用は他の三機とは異なり、性能面で不利に働いたことが影響し一因となりました。また、機体は他の競合機と比較して重量過多であり、エンジンの出力も不足していたため、試作機の段階で不採用となる運命にありました。その結果、アラド Ar 80はたったの3機のみが生産されたのです。

仕様

アラド Ar 80は、以下のような基本的な仕様を持っていました：

• - 全長：10.30メートル
• - 全幅：10.80メートル
• - 全高：2.65メートル
• - 翼面積：21.0平方メートル
• - 全備重量：2,120キログラム
• - エンジン：ロールス・ロイス製のケストレル液冷V型12気筒エンジン（出力695馬力）
• - 最大速度：410キロメートル毎時
• - 実用上限高度：10,000メートル
• - 航続距離：800キロメートル
• - 武装：7.92mm機関銃を2門装備
• - 乗員：1名

アラド Ar 80の影響

試作機の段階で没になったため、アラド Ar 80は実戦に投入されることはありませんでしたが、この機体の設計過程や技術的な挑戦は、後のドイツ空軍における航空機の発展に影響を与えた可能性があります。特に、その開発過程において学ばれた教訓は、後続の多様な戦闘機設計へとつながっていったと思われます。

アラド Ar 80は、固定脚という独特の取り組みと、当時の航空技術の限界を示す興味深い事例として歴史に名を刻むこととなりました。非常に限られた生産数で終わったものの、航空機の進化に寄与した存在であったと言えるでしょう。

関連項目

• - 戦闘機一覧

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