Arrow Lakeマイクロプロセッサ

Arrow Lake（アローレイク）とは

Arrow Lake（アローレイク）は、インテルが開発した最新のマイクロプロセッサです。2024年10月10日に正式発表され、「Intel Core Ultraプロセッサ シリーズ2」として製品化されました。このプロセッサは、デスクトップ向けCPUとして初めてタイルアーキテクチャを採用し、NPU（ニューラルプロセッシングユニット）も搭載された画期的な製品です。

概要

Arrow Lakeは、従来のモノリシックなCPU設計から大きく転換し、複数のチップレット（タイル）を組み合わせるタイルアーキテクチャを採用しています。このアーキテクチャにより、各タイルで異なる製造プロセスを使用することが可能になり、性能と効率の最適化が図られています。また、デスクトップ向けCPUとしては初めてNPUが搭載され、AI処理能力が大幅に向上しています。次世代のマイクロアーキテクチャへの刷新により、IPC（Instructions Per Cycle：クロックあたりの命令実行数）が向上した一方で、従来のインテル製CPUで採用されていたハイパースレッディング（1つの物理コアで複数のスレッドを同時に処理する技術）は廃止されました。

当初、Computeタイルはインテル自身の20Aプロセスで製造される予定でしたが、最終的には他社製造に変更されています。

特徴

Arrow Lakeの基本的な構造は、先行するMeteor Lakeをベースとしていますが、Computeタイルが最新世代に更新されています。

タイルアーキテクチャ

Arrow Lakeは、インテルの3Dパッケージング技術「Foveros」を採用しており、複数のタイルをベースタイルに接続しています。このタイルアーキテクチャにより、各タイルで異なる製造プロセスを使用することが可能になっています。

Computeタイル: TSMC N3Bプロセスで製造
Graphicsタイル: TSMC N5Pプロセスで製造
SoCタイル: TSMC N6プロセスで製造
I/Oタイル: TSMC N6プロセスで製造

NPUはSoCタイルに搭載されており、AI処理能力の中核を担っています。

CPU

Arrow LakeのCPUは、高性能なLion Coveコア（Pコア）と高効率なSkymontコア（Eコア）によるハイブリッド構成を採用しています。この構成は、タスクの負荷に応じてコアを使い分けることで、性能と電力効率のバランスを最適化します。

従来のPコアで採用されていたハイパースレッディングは、Arrow Lakeでは廃止されました。Pコアには、L0データキャッシュが追加されています。これは、従来のL1データキャッシュをL0データキャッシュに改名し、さらにL1.5相当のデータキャッシュを追加したものです。

GPU

Arrow Lakeは、「Intel Arc」ブランドの内蔵GPUを搭載しています。このGPUは、Xe-LPGアーキテクチャを採用しています。モバイル向けのHモデルでは、XMX（行列演算器）を追加したXe-LPG+アーキテクチャが採用されており、より高度なグラフィックス処理能力を発揮します。

製品一覧

Arrow Lakeは、デスクトップ向けとモバイル向けの製品が展開されています。

デスクトップ向け

Arrow Lake-S: LGA1851ソケットに対応

モバイル向け

Arrow Lake-HX
Arrow Lake-H

脚注

注釈

Arrow Lakeは、インテルの最新技術を駆使した意欲的な製品であり、今後のCPU市場において重要な役割を果たすことが期待されます。

出典

（情報源のURLや書籍名などを追記）

関連項目

Raptor Lakeマイクロプロセッサ
* Meteor Lakeマイクロプロセッサ

もう一度検索