Audio/Video Remote Control Profile

AVRCP (Audio/Video Remote Control Profile) について

AVRCP（Audio/Video Remote Control Profile）は、Bluetoothプロファイルの一つであり、主にデバイス間のリモートコントロールを目的としています。仕様書などではAVRCPと略されることが一般的です。このプロファイルは、Bluetooth接続されたデバイス間で、一方のデバイスから他方のデバイスを操作するための手順や、使用するプロトコルなどを定めています。

概要

AVRCPでは、2つのデバイス間で役割を定義します。操作内容を送信する側を「コントローラ（Controller: CT）」、操作内容を受信する側を「ターゲット（Target: TG）」と呼びます。この定義により、例えばスマートフォン（CT）からオーディオプレーヤー（TG）を操作するようなシチュエーションが実現できます。

AVRCPの主な役割は、ターゲットデバイスをリモートコントロールするための操作内容の配信です。具体的には、再生、停止、スキップ、音量調整といった操作をコントローラからターゲットに伝えます。これにより、ユーザーはデバイス本体に触れることなく、離れた場所から操作を行うことができます。

AVRCPは、Bluetooth通信を利用したリモートコントロールに特化しており、オーディオやビデオデータのストリーミング自体は、このプロファイルの定義範囲には含まれていません。データのストリーミングには、A2DP（Advanced Audio Distribution Profile）などの他のBluetoothプロファイルが用いられます。

ユースケース

AVRCPは、様々な場面で利用されています。具体的なユースケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

デジタルオーディオプレーヤーのリモートコントロール: スマートフォンやスマートウォッチなどのコントローラデバイスから、デジタルオーディオプレーヤーの再生や停止、曲送りなどの操作をワイヤレスで行うことができます。
カーオーディオシステム: スマートフォンをコントローラとして、カーオーディオシステムを操作できます。再生、停止、曲送り、音量調整などを手元で簡単に行えます。
スマートホームデバイス: スマートスピーカーなどのスマートホームデバイスを、スマートフォンアプリなどから操作できます。音楽の再生だけでなく、他の操作も可能な場合があります。
テレビのリモコン: スマートフォンやタブレットなどのデバイスを、テレビのリモコンとして使用できます。

これらの例からもわかるように、AVRCPは、様々なデバイス間でリモートコントロールを実現するための重要な役割を担っています。

他プロファイルとの関連・依存

AVRCPは、単独で動作するのではなく、他のBluetoothプロファイルやプロトコルと組み合わせて使用されます。特に、A2DP（Advanced Audio Distribution Profile）との連携が重要です。

A2DPとの連携: オーディオデータのストリーミングにはA2DPが用いられます。AVRCPは、このストリーミングをコントロールする役割を果たします。例えば、A2DPで音楽を再生中に、AVRCPを用いて再生を停止したり、次の曲にスキップしたりすることができます。
GAP（Generic Access Profile）への依存: A2DPは、Bluetoothデバイス同士が互いを認識し接続を確立するためのGAPに依存しています。

これらの連携により、より高度なワイヤレスオーディオ体験が実現しています。

まとめ

AVRCPは、Bluetoothデバイス間のリモートコントロールを実現するための重要なプロファイルです。コントローラとターゲットという役割を定義し、デバイス間の操作をワイヤレスで実現します。AVRCPは、操作の配信に特化しており、オーディオやビデオデータのストリーミングは、A2DPなどの他のプロファイルが担当します。デジタルオーディオプレーヤーのリモートコントロールなど、様々なユースケースで活用されており、私たちの生活をより便利で快適なものにしています。

関連項目

Bluetooth

外部リンク

Bluetooth.com
* AVRCPの概要

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