AviUtl

AviUtl（エーブイアイユーテル、エーブイアイユーティル）は、KENくん氏によって開発された、プロプライエタリな動画編集ソフトウェアです。フリーウェアとして公開されており、手軽に動画編集を始められる点が魅力です。

概要

AviUtlは、主にAVI形式の動画ファイルを編集するために使用されます。動画のカットや結合はもちろん、各種コーデックを用いた圧縮にも対応しており、幅広い形式の動画を扱うことができます。32ビットアプリケーションとして開発されましたが、現在でもそのアーキテクチャを維持しています。これは、多くのプラグインが32ビット環境向けに開発されているため、64ビット化するとそれらのプラグインが利用できなくなるという理由からです。しかし、バージョン1.10rc2以降では、共有メモリを利用することで4GB以上のメモリを使用できるようになり、より大きな動画ファイルも扱えるようになりました。

AviUtl本体だけでも基本的な動画編集は可能ですが、公式サイトで配布されている「拡張編集プラグイン」を導入することで、より高度な編集機能を利用することができます。このプラグインにより、レイヤー機能や豊富なエフェクトが利用可能となり、プロレベルの編集も実現できます。さらに、有志によって開発されたプラグインを追加することで、x264やNVEncといったエンコーダーを用いたエンコードも可能になります。また、AviSynthとの連携も可能で、プラグインを相互利用できますが、データの精度に変化が生じる場合があるので注意が必要です。AviUtlと連携したソフトウェアとしては、nicotalkやYukkuriMovieMakerなどがあります。

主な機能

• - 動画ファイルの読み込み、編集、保存
• - 動画の分割、結合、削除
• - エンコード
• - YouTube、ニコニコ動画に適した出力

歴史

• - 1997年11月 - 開発開始
• - 2003年8月16日 - version0.99リリース
• - 2007年11月3日 - version0.99aリリース
• - 2013年4月1日 - Version1.00リリース
• - 2019年8月18日 - Version1.10rc1リリース
• - 2019年9月1日 - Version1.10rc2リリース
• - 2019年10月3日 - Version1.10リリース

拡張編集プラグイン

拡張編集プラグインは、AviUtlの機能を大幅に拡張するための公式プラグインです。

基本的な機能

• - 字幕やテキストオブジェクトの配置、編集
• - 動画のリサイズ
• - トリミング
• - ワイプ合成
• - シーンチェンジ
• - 色の合成、加工
• - 画像に対するエフェクト
• - 動画の逆再生
• - 音声の編集、加工、BGMの導入

拡張性

拡張編集プラグインでは、Luaスクリプトを用いたエフェクトを自作できます。これにより、Adobe After Effectsのプラグインを模倣したエフェクトなど、高度な表現が可能になります。また、Lua5.1のバイナリファイルをLuaJITに置き換えることで、処理速度を向上させることができます。これは、LuaJITがLua5.1をベースに開発されているため実現可能です。

プラグイン

AviUtlの大きな特徴の一つとして、サードパーティ製のプラグインが豊富に存在することが挙げられます。これらのプラグインを導入することで、AviUtlの機能をさらに拡張することが可能です。プラグインは、DLLファイルをリネームしたものであり、その種類は多岐にわたります。例えば、.aulファイルはAviUtlのバグを修正したりもします。多くのプラグインは、公式サイトで配布されているAviUtl用公式SDKを使用して開発されています。

ただし、プラグインがDLLファイルをリネームしたものであるという性質上、マルウェアとして動作する可能性も否定できません。そのため、プラグインを導入する際は、安全性に十分な注意を払う必要があります。

関連書籍

• - 「AviUtlではじめる動画編集 (I・O BOOKS)」（勝田 有一朗 著、工学社、2013年6月15日）
• - 「逆引きAviUtl動画編集 (I・O BOOKS)」（勝田 有一朗 著、工学社 、2014年7月1日）
• - 「AviUtl 動画編集 実践ガイドブック」（オンサイト 著 、技術評論社、2018年3月17日）

関連項目

• - AviSynth
• - Audio Video Interleave (AVI)
• - コーデック

外部リンク

• - AviUtlのお部屋 公式サイト

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