B.B.フィッシュ

『B.B.フィッシュ』について

『B.B.フィッシュ』は、きたがわ翔によって描かれた日本の漫画作品で、1990年から約3年間、集英社の『週刊ヤングジャンプ』に連載されました。この作品は、青春、友情、そして成長をテーマにしたストーリーで、多彩なキャラクターが魅力的な関係を築きながら描かれています。全15巻の単行本がヤングジャンプ・コミックスワイド版として、そして全9巻の集英社文庫コミック版が刊行されています。

あらすじ

物語は、神無月沙羅という小学生の少女と、葉山潮という特異な能力を持つ少年との出会いから始まります。サラは伊豆の海岸で潮と出会い、彼が魚を呼び寄せる能力を持っていることを知ります。しかし、その後、運命的な台風の日に潮は海で事故に遭い、その瞬間に彼の能力と幼少期の記憶を失ってしまいます。その後、潮は東京に引っ越します。

8年後、高校に進学した沙羅は、偶然にも潮と再会します。しかし、潮は事故の影響で水に対する恐怖心を抱え、彼自身でさえ過去の記憶を思い出すことができません。この再会をきっかけに、二人の運命が再び交差していきます。

主な登場人物

• - 葉山 潮

作品の主人公であり、伊豆の熱川に生まれたスポーツ万能の青年です。中学時代には数々の体育テストで新記録を樹立。その不思議な能力は母親から受け継いだものでしたが、事故により失われた記憶の中に秘められた力が存在します。再会を果たした沙羅を助けることで、彼の能力は再び覚醒します。

• - 神無月沙羅

物語のヒロインであり、日本人の母とアメリカ人の父を持つ少女。彼女の父は海軍士官でしたが、事故に遭い亡くなったため、日本に戻ります。潮との出会いを通じて、成長しつつも複雑な感情を抱える人物です。

• - 神無月達也

沙羅の兄で190cm近い長身。彼は潮の影響を受け、水泳を始めて成長を遂げます。潮が水泳部に入部する際、そのライバルとなります。

• - 国光麻衣子

高校1年生の夏、沖縄で潮が出会った女性。不思議な魅力を持っており、潮に新たな刺激を与えるキャラクターです。

OVA版とアニメーション

この漫画は1993年にオリジナルビデオアニメ（OVA）としてリリースされました。故事設定は若干変更され、潮がスキューバダイビングのライセンスを取得するために沖縄に旅行するエピソードが描かれています。OVAでは、同じくきたがわ翔が愛する角松敏生の楽曲が主題歌として使用されています。

芸術的な側面

『B.B.フィッシュ』の魅力は、キャラクター同士の人間関係や成長の過程だけではなく、きたがわ翔の独特の描画スタイルやストーリーテリングにもあります。特に、海や自然の美しさが作品内で重要な役割を果たし、登場人物の心情を深く映し出します。

まとめ

『B.B.フィッシュ』は、青春の特異な瞬間を捉え、忘れられない出会いや成長、心の交流を描いた作品です。主人公とヒロインの絆、そこに絡みつく同級生たちの複雑な関係、その中で巻き起こる感動的な出来事が読者を引き込む要素となっています。時代を超えて愛される作品として、多くのファンに親しまれています。

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