B77 (核爆弾)

B77核爆弾の概要

B77は、アメリカ合衆国が1970年代に開発を進めていた核爆弾であり、当初はB-1A爆撃機用に設計されていました。この核兵器は、威力可変型の水素爆弾として開発され、自由落下式で運用されることが想定されていました。開発は1977年に中止されるまで続けられました。

開発の背景

アメリカ空軍は新型爆撃機B-1を開発しており、それに合わせた核兵器の新モデルとしてB77の開発が進められていました。この爆弾は、従来のB28およびB43核爆弾の更新版として位置づけられており、サイズの小型化が図られました。これにより、運用の効率が向上し、様々な条件下での投下が可能となることを目指しました。

特徴および技術的課題

B77の特徴は、その多様な投下方法にあります。投下高度は2万メートルから90メートルの超低空まで対応し、落下速度についても超音速から亜音速まで選べる設計でした。この柔軟性により、様々な戦術に適応可能な核攻撃が行えることが期待されました。

爆発高度は、信管によって調整可能であり、空中爆発や地表面爆発、さらには遅延爆発といった選択肢が提供されました。遅延爆発を実現するために、爆弾にはパラシュートを装備することができ、二段階での展開が行われます。このパラシュートは、低高度・高速での投下時にも開くように設計されており、ガス圧によって一段階目が作動します。

実際の開発試験においては、約30メートルの高度からマッハ2.2の速度で投下された弾体を時速40マイルまで減速させることに成功しています。また、1975年から1976年にかけては、4回の核実験が実施され、その結果を受けて様々な設計改良が行われていました。

開発中止の決定

しかし、1977年にジミー・カーター政権が誕生すると、その軍縮政策の影響を受けてB-1Aの開発計画は大幅に縮小され、12月にはB77の開発も高額な開発費を理由に中止が決定されました。最終的には、B77の研究成果は1979年から始まるB83の開発に活かされることとなりました。

参考リンク

• - Complete List of All U.S. Nuclear Weapons
• - B77 Strategic Bomb

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