BALLAD 名もなき恋のうた

映画『BALLAD 名もなき恋のうた』

『BALLAD 名もなき恋のうた』は、2009年に公開された日本の実写映画で、アニメ映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』が原作となっています。物語は戦国時代を背景に、侍である井尻又兵衛と姫君廉の揺れ動く恋心を描いたものです。

概要

本作は、草彅剛が主演の侍役を務め、新垣結衣が姫を演じています。タイムスリップしてきた現代の家族が物語の中核を担う原案に対し、本作では完全に戦国時代を舞台に設定しています。また、映画の宣伝はテレビ朝日系列で積極的に行われ、アナウンサーたちが「廉姫アナウンサー」としてPRを担当しました。

映画の制作背景には、監督の山崎貴が『ラスト サムライ』のロケ現場を訪れたことが関係しています。彼はその出来の高さに感銘を受け、日本でも合戦を題材にした時代劇を作れると感じました。これを受けて『アッパレ!戦国大合戦』が採用された理由も、対抗作品を視野に入れた選択だったと言います。

技術と演出

本作の撮影手法は『ALWAYS 三丁目の夕日』同様に、ワンシーンワンカットやVFX技術が駆使されています。山崎監督は、視覚的な美しさとリアリティを追求しながらも、子供たちに見てもらえる作品にするために、合戦シーンには過度の流血描写を避けるよう配慮しました。

あらすじ

物語は1574年、戦国時代の春日国から始まります。井尻又兵衛は「鬼の井尻」の異名を持つ侍であり、姫君廉を命がけで守っている。しかし、彼らの心の中には、それぞれの感情が交錯していました。そんな中、現代からタイムスリップした少年・川上真一が現れ、彼が又兵衛の運命を大きく変えていくことになります。

真一の両親もまた、彼の行方を追いかける中で、戦国時代に突如としてタイムスリップします。それをきっかけに、又兵衛と廉の間には素直な気持ちが芽生え始めますが、厳しい運命が待ち受けています。大国の藩主・大倉井高虎が結婚を申し込むことで、物語はますます緊迫していきます。

クライマックス

敵の軍勢が攻め入る中、又兵衛は勇敢に立ち向かいます。現代の乗り物であるマイカーを見た敵兵の恐れが戦場の局面を変える中、又兵衛は一騎打ちで勝利します。しかし、運命は残酷でした。最終的に又兵衛は、その命を落としてしまいますが、廉姫の腕の中で微笑みながら最後を迎えるシーンは、何とも心を打つものです。

主なキャラクター

• - 井尻又兵衛（草彅剛）：強く、優しい侍。身分差のために思いを明かせない。
• - 廉姫（新垣結衣）：春日の国の姫。又兵衛との思いを秘めている。
• - 川上真一（武井証）：現代から来た臆病な少年。戦国時代の経験を通じて成長する。
• - 川上美佐子（夏川結衣） & 川上暁（筒井道隆）：真一の両親。

結論

『BALLAD 名もなき恋のうた』は、愛と勇気をテーマにした感動的な映画であり、視聴者に深い印象を残します。監督の山崎貴は、これを「観客の心に深く入り、愛される作品になってほしい」と願っています。また、原案を手がけた監督の原恵一も、実写化にあたる嬉しさと新たな挑戦について語っています。

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