BEE PUBLIC

BEE PUBLIC（ビー パブリック）

BEE PUBLICは、日本の音楽シーンで1980年代に短期間ながら存在感を示したロックバンドです。1986年に、研音が掲げる「楽器演奏に秀で、ルックスも優れた若者たちで構成された“日本のビートルズ”を目指せるバンド」というコンセプトに基づいてオーディションを経て結成されました。メンバーはそれぞれ異なるバックグラウンドを持っていましたが、音楽プロデューサーの都志見隆の指導のもと、練習と楽曲制作を重ねて、メジャーデビューへと進んでいきます。

結成後、バンドは東京の渋谷エッグマンを含むライブハウスで20回以上の演奏を行い、シーンでの存在感を高めていきました。そして1986年8月6日、ワーナー・パイオニアからシングル「お前にハート・ビート」で満を持してデビュー。この曲は、TBSのドラマ『夏・体験物語2』の挿入歌として使用され、広く知られるようになります。さらに8月21日には、テレビ番組『ザ・ベストテン』に出演したことで、より多くのファンを獲得し、メディアからの注目も集めました。特に当時のバンドたちが派手な衣装を身に纏う中、BEE PUBLICはシンプルで硬派なスタイルを貫き、黒のタンクトップやダークトーンのスーツを身に着けた姿が特徴でした。

彼らは若いイケメンバンドとしても多くのアイドル雑誌に登場し、ルックスに重きを置かれることが多かったため、アーティスト志向の彼らにとっては少々不本意な面もありました。また、メンバー間では音楽性の違いが浮き彫りにされ、厳しいスケジュールによるフラストレーションが溜まるにつれて、意見の相違が増えていく状況にありました。

1987年2月25日には、1stアルバム「Mr. Rockin' Man」をリリースしましたが、その年の終わり頃には松本と乾が脱退。新たにボーカルに竜之介、ベースに小池ヒロミチが加わります。しかし、ヒット曲は得られず、さらには事務所の方針とメンバーの意向が衝突し、1988年には解散に至りました。

解散後のメンバーについては、松本はタワーレコードでの勤務を経て故郷の熊本に戻り、音楽活動を続けているかは不明です。一方、乾は1995年からロックバンド『PLASTIC DOLL』として活動を続け、名義を乾聡晋（SOUSHIN）として知られています。丸山は復活させたバンド『VoThM』で活躍し、多数のミュージシャンと共演を重ねています。酒井は吉川晃司の楽曲制作に関与しています。そして、新たに加入した竜之介は2020年に他界しました。

2024年6月19日には、ワーナーミュージックからベストアルバム『ゴールデン☆ベスト BEE PUBLIC』がリリースされる予定で、バンドの音楽活動が再びクローズアップされる機会が訪れようとしています。短い活動期間にもかかわらず、BEE PUBLICは日本のロックシーンに深い足跡を残しました。

もう一度検索