BMX

BMX（バイシクルモトクロス）

BMXは自転車競技の一つで、Bicycle Motocrossの略称です。その名の通り、自転車を使ったモトクロススタイルのレースやスタント技を競います。BMXに使用される自転車は、丈夫な構造を持ち、短距離レースやスタントに特化してデザインされています。これらの自転車は、快適性を重視せず、変速機能を備えていないため、長距離走行には向いていません。また、泥よけやスタンド、ライトなどの補助的な部品も装備されません。国際自転車競技連合（UCI）により、標準のホイールサイズは20インチ、クルーザータイプでは24インチとされています。

歴史

BMXは1970年代初頭にアメリカカリフォルニア州で始まりました。カリフォルニアの子供たちがモトクロスを模倣し、自転車レースに展開したのがきっかけです。1970年代半ばに専用のBMXバイクを使ったレースが全米で行われるようになり、1982年には初の世界選手権も開催されました。日本では1978年に初の世界大会に日本人選手が参加し、1982年には駒沢公園で日本初のBMXフリースタイルチームが結成されています。

映画『E.T.』や『BMX Bandits』などがBMXをフィーチャーし、その人気を不動のものとしました。2008年には北京オリンピックで正式種目として採用され、日本からは阪本章史選手が代表として出場しました。2017年には、日本初のプロBMXチームであるGAN TRIGGERが設立され、選手たちの活動を支援しています。2015年には、池田貴広選手が『シルク・ドゥ・ソレイユ』の一員として米国に進出し、2020年の東京オリンピックではBMXフリースタイル・パークが新種目として追加されました。

競技の分類

BMX競技は大きく分けてレースとフリースタイルの二つに分類されます。レースは速さを競い、フリースタイルは技術や独創性を競う競技です。両カテゴリーの競技ごとに自転車の設計が異なり、一台の自転車で両方には対応できません。

レース

BMXレースは、400メートルほどのダートコースを舞台に、最大8人の選手が競争します。予選から決勝までの過程で着順を争い、2023年度の成績によって翌年度のプレートナンバーが決まります。BMXレースは、他の自転車競技と比べて小学生や中学生でも参加しやすいため、多くの選手がこの競技をスタート地点としています。また、オリンピックではSupercrossスタイルにアレンジされ、特に高度なジャンプが設けられることがあります。

フリースタイル

フリースタイルは、選手が自由に技を披露し、その難易度や独自性が評価されます。この競技は主にエクストリームスポーツの一環として認識され、X Gamesなどのイベントでも取り上げられます。技術の表現力や創造性が重視されるため、フリーライド志向の選手も多く存在します。フリースタイルは以下のいくつかの種目に分かれています。

- フラットランド: 平らな地面上で技を競う。
- パーク: スケートパークなどでエアやトリックを披露する。
- ストリート: 街中の障害物を使った技を競う。
- トレイル: ダートコースでジャンプ技を競う。
- ヴァート: ハーフパイプを利用した技を競う。
- ビッグエア: 大型ジャンプで技を追求する。

車体

BMXバイクは競技に特化した強度を持ち、軽量で操作性に優れています。各競技専用に設計されており、特徴やパーツも異なります。特に、フレームやフォーク、ハンドル、ペグなどの独特な部品は操作性や強度を重視した設計がなされています。

著名なBMX選手

日本でも多くの著名なBMX選手が活躍しています。特に、阪本章史選手、飯端美樹選手などが挙げられます。これらの選手たちは国内外の大会において素晴らしい成績を収め、BMXスポーツの普及に貢献しています。

BMXは競技の幅や技術の多様性から、非常に魅力的なスポーツです。日々進化を続け、その魅力はますます広がっています。

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