BRDM-1

BRDM-1：ソ連が生んだ水陸両用装甲偵察車

BRDM-1は、ソビエト連邦で開発された水陸両用装甲偵察車であり、「装甲偵察哨戒車」を意味するロシア語の略称に由来します。1954年からゴーリキー自動車工場（GAZ）で開発が進められ、1957年にソ連軍に制式採用されました。

約10,000両が生産され、ソ連軍では後継のBRDM-2に更新されましたが、二線級部隊では1970年代まで運用され、現在も一部の国で約600両が現役で使用されています。

開発の経緯と特徴

BRDM-1は、当初BTR-40Pと呼ばれていました。これは、基本構造の一部がBTR-40の車体構造を基に開発されたためです。後継のBRDM-2が採用された際に、区別のためBRDM-1と呼ばれるようになりました。

舟型の車体は水上航行を可能にし、車体前部の波切板と後部のウォータージェット推進装置によって、水上でも機動力を発揮します。また、前後主輪の間に設けられた補助輪は、軟弱な地盤での走破性を向上させるための特徴的な構造です。

多様なバリエーション

BRDM-1には、様々な派生型が存在します。以下に主なバリエーションを示します。

BRDM-1 1957: 初期生産型で、オープントップ式の戦闘室を備えています。
BRDM-1 1958: 1957年モデルの改良型で、密閉式の戦闘室に変更されました。
BRDM-1 1959: 1958年モデルの改良型で、機関銃用の単装銃架が戦闘室前部に装備されました。
BRDM-1 1960: 1959年モデルの改良型で、単装銃架が戦闘室の左右にも装備されました。
BRDM-1U: 無線装備が強化された戦闘指揮車両です。
BRDM-RKh: NBC検出車であり、全ての作業を車内で行うことができます。
2P27/2P32/9P110: 対戦車ミサイル発射機を搭載した対戦車車両です。西側諸国では「BRDM-1 ATGW」と総称されました。

各国での運用

BRDM-1は、ソ連をはじめとする多くの国で採用されました。その中には、アフガニスタン、アルジェリア、キューバ、エジプト、ハンガリー、ベトナムなどが含まれます。また、イスラエルはエジプトやシリアから鹵獲したBRDM-1を運用しました。

一部の国では退役していますが、現在もなお、いくつかの国で現役で使用されています。

関連項目

装甲戦闘車両
装輪装甲車
偵察戦闘車
BTR-40
BRDM-2
BRDM-3

外部リンク

FAS＞BRDM-1 (BTR-40P)Armored Reconnaissance Vehicle (英語、写真多数)

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