1997年
9月28日から
10月25日まで、
スーパーファミコン向けに放送された『BS
ファイアーエムブレム アカネイア戦記』は、衛星
データ放送受信機「
サテラビュー」を用いたサウンドリンクゲーム形式のシミュレーションRPGです。この作品は、以前の『暗黒竜と光の剣』や『紋章の謎』の前日譚として位置付けられ、アカネイア大陸の歴史を描いています。
概要
全4話で構成されたこのゲームの各エピソードは、放送時に1日1時間、合計7回の配信をもって物語が進むというユニークな形式を採用しています。音楽は衛星放送を通じて流れ、シンセサイザーによるアレンジが施されたBGMが作品に臨場感を与えていました。また、登場人物のセリフはまるで
ラジオドラマのように表現され、プレイヤーの没入感を高めています。
かつて放送された後、このゲームは通常の遊び方では楽しむことが難しくなり、
任天堂の公式サイト「
ファイアーエムブレムワールド」でも情報が見つからないことから、いわば「幻の作品」となっています。プレイヤーは、敵を倒したり村や宝箱からアイテムを獲得したりすることで得点を得ることが要求され、決められた時間の中でより高得点を目指すというゲーム性が特徴的です。
この作品を手掛けたのは、ゲームディレクターの加賀昭三をはじめ、音楽を担当した
辻横由佳とキャラクターデザインの
鈴木理華など、実力者たちです。また、声優には井上和彦が名を連ねています。2010年には
ニンテンドーDS用ソフト『新・紋章の謎』として
リメイクされ、「新・アカネイア戦記」としてさらなるファンを魅了しました。
エピソードごとの内容
第1話・パレス陥落
このエピソードでは、アカネイアの首都であるパレスが、暗黒竜メディウスが率いるドルーア帝国軍によって陥落の危機に瀕しています。アカネイア国王は、司祭のボアに王女ニーナと共に脱出するよう命じますが、彼らはドルーア軍に包囲されてしまいます。若者たちの勇気と知恵が試される瞬間です。
登場キャラクターとして、ニーナやボア、戦士たちが活躍し、敵ボスにはグーベルが立ちはだかります。
第2話・赤い竜騎士
マケドニア国王女のミネルバが主人公となり、彼女は反乱軍による村での掠奪を阻止するために奮闘します。暴徒と化した元軍の兵士たちとの戦闘は、彼女にとっても試練です。
このエピソードでは、ミネルバや彼女の部下たちが登場し、敵ボスにはルーベンというドラゴンナイトが待ち構えています。
第3話・正義の盗賊団
パレスが陥落して数日後、盗賊のリカードが人々を救うためにパレスに侵入しようとする物語です。彼の仲間にはシスターのレナや剣士のナバールが加わり、困っている人々のために奮闘します。
ここでは、リカードたちが敵に立ち向かう姿が描かれ、ボスのバームとの戦いに挑むことになります。
第4話・始まりのとき
物語の最終章では、ニーナがドルーア軍に追われながら新たな仲間たちと共に脱出を試みます。数々の事件が彼女を待ち受け、プレイヤーは最終的な結末を導く役割を担います。
関連商品
本作は、その影響を受けた作品や本が数多く出版されています。例えば、20周年を祝った『
ファイアーエムブレム大全』やファン向けの『アカネイア・クロニクル』などがあります。これらは連なる作品の魅力をさらに掘り下げています。
このように『BS
ファイアーエムブレム アカネイア戦記』は、独自のスタイルと緻密なストーリー展開で多くのファンを獲得した歴史的な作品です。