Baby a Go Go

アルバム『Baby a Go Go』について

『Baby a Go Go』は、1990年9月27日にリリースされたRCサクセションの19枚目のスタジオアルバムです。これは、1991年1月に活動を休止することとなるRCサクセションにとって、最後のアルバムとなりました。制作過程ではバンドに困難な状況が続きましたが、春日博文やレニー・クラヴィッツのスタッフの協力を得て、完成に至りました。

このアルバムは忌野清志郎がある時期感じていた“特殊な感覚”を振り払う試みでもあり、ラブソングを中心に据えた作品です。音楽のスタイルは、70年代のアナログレコーディングにフォーカスしており、あたかも時代を越えたかのような親しみやすいサウンドが特徴です。

ミキサーのヘンリー・ハーシュは、本作を「個々の楽曲が完全に一体化した、完成されたレコード」であると評し、ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』と類似があると述べています。各曲は異なるサウンドながらも、全体として一つの作品にまとまり感を与える構成です。

収録曲の詳細

アルバムには様々な楽曲が収められています。たとえば、オープニングナンバー「I LIKE YOU」はセゾンカードのCMで使用されました。また、「ヒロイン」、「あふれる熱い涙」や「June Bride」など、忌野清志郎が手掛けた楽曲が並びます。

「Rock'n Roll Showはもう終わりだ」は1988年のツアーで披露され、特にライヴイベントでの演奏を意識して作られた曲でもあります。さらに、「冬の寒い夜」は彼が中学生の頃に作曲したものであり、彼の音楽キャリアの始まりを物語る一曲です。

そのほか、「Hungry」や「忠実な犬」は、RCサクセションの音楽スタイルの真髄を感じさせる楽曲です。「忠実な犬」は、シングル「I LIKE YOU」のカップリング曲としても知られています。

メンバーと制作陣

RCサクセションのメンバーは、忌野清志郎（リードボーカルなど）、小林和生（ベース）、仲井戸麗市（ギター）、春日博文（ドラムス）など、各自が多様な楽器を操り、これをサポートしています。また、レコーディングでは春日博文の他、ヘンリー・ハーシュとデイヴィッド・ドマーニッチがプロデューサーとして名を連ねています。

アルバムの影響

『Baby a Go Go』は、その音楽スタイルと内容から、RCサクセションのファンはもちろん、ロックシーンに多大な影響を与えました。特に新しい形のラブソングを提示したことで、聴く人々に新たな視点を提供しています。さらに、後のアーティストにとってもこのアルバムはインスピレーションの源となり、影響を受けた楽曲が数多く存在します。

アルバムリリース後も、収録されている楽曲はいくつかカバーされるなど、長きにわたって愛されています。特に「うぐいす」は、様々なアーティストによって新たな解釈が加えられ、トリビュートアルバムにも収録されるなど、今なお多くの人によって親しまれています。

このように、『Baby a Go Go』はRCサクセションのサウンドの集大成であり、その歴史的な価値は語り継がれています。

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