BeReal

BeReal（ビーリアル）

概要

BeRealは2020年に登場したフランス発のSNSアプリで、アレクシ・バレイヤとケビン・ペローによって開発されました。初めは注目を集めていなかったものの、2022年の初めから半ばにかけて急激に人気を獲得しました。このアプリの主な特徴は、毎日ランダムな時間に通知を受け、2分以内にしたためる必要がある写真の投稿です。アプリ名の「BeReal」は、実際の瞬間を捉えたものであることを意味し、完璧さではなく、本当のありのままの自分をシェアすることが重視されています。

課題設定としては、写真にフィルターや編集を施すことを排し、ユーザーが「本当の自分」を友達に見てもらうことを促す点が挙げられます。こうした取り組みは、自己表現や自己承認の新しい形を模索する時代において、多くの支持を得る要因となりました。

人気の背景

BeRealは、元GoPro従業員によって開発され、リリース後は徐々に知名度を増していきましたが、特に2022年には大学キャンパスを中心に利用者が急増しました。この現象は、有給のアンバサダー・プログラムが大きな役割を果たしています。日本語の名称は、2022年12月には「ビリール」として紹介されていましたが、その後は「ビーリアル」が一般的に使われるようになりました。公式サイトや各種メディアでもこの呼び方が確認できます。

2022年8月時点で、アクティブユーザー数は日間で1,000万人、月間では2,160万人以上に達し、注目を浴びる存在となりました。また、その年の4月には3,000万ドルの資金調達を行い、5月にはさらに8500万ドルを獲得して評価額は約6億ドルに達しました。2024年6月には、フランスのゲーム制作企業Voodooによって5億ユーロで買収されたと報じられています。

特徴

BeRealの最大の特徴は、利用者全員に対して1日1回、特定の時間に写真を共有することが求められることです。投稿枠が開かれると、ユーザーは前方カメラと後方カメラで同時撮影を行い、その瞬間の活動を記録する必要があります。ここでは、画像加工やフィルターの使用は一切許可されておらず、非常にリアルな状況が求められます。

通知が送られた際には、その日撮られた他のユーザーの投稿を見ることができず、自分の写真を投稿するまで他の人のBeRealは非表示になります。このシステムにより、ユーザー同士が自身の瞬間を共有することに注力できるのです。

さらに、利用者は投稿した写真にコメントや絵文字（RealMoji）をつけて交流することができます。とはいえ、フォロワー制限がないため、誰でも自分のコンテンツとしてシェアできるのが特徴です。また、ディスカバリー機能があり、フレンド以外にも投稿を共有することが可能ですが、こちらではコメントはできず、絵文字のみ送ることができるようになっています。

BeRealは、InstagramなどのSNSに対抗しつつ、SNS中毒や過剰利用を抑える設計が試みられています。アプリ内で「中毒になる可能性がある」との警告もありますが、その一方で「有名人になれない」ことも強調されています。

モデレーションと安全性

利用者による不適切な投稿に対しては、管理プロセスが整っているわけではありませんが、通報機能によって不適切なコンテンツや他の利用者の問題行動を報告する手段が用意されています。この仕組みにより、利用者同士のトラブルを最小限に抑えるための努力が続けられています。

このように、BeRealは従来のSNSとは一線を画した新しい形のSNSであり、日常のリアルな瞬間を友達と共有することを通じて、より本物のコミュニケーションを促進しています。利用者にとって新たな自己表現の場として、今後の展開が気になるアプリの一つです。

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