Behind the Frame 〜とっておきの景色を〜

Behind the Frame 〜とっておきの景色を〜

『Behind the Frame 〜とっておきの景色を〜』は、台湾のゲーム開発スタジオSilver Lining Studioが開発したパズルゲームです。プレイヤーは、ニューヨークの公募展に出品する絵を制作する女性画家となり、絵を描き進めながら物語を体験します。

ゲームシステム

本作は、パズル要素とアドベンチャー要素を組み合わせたゲームです。プレイヤーは、主人公の女性画家を操作し、部屋の中で絵を描いたり、パズルを解いたりしながらゲームを進めます。

絵を描く作業は、ゲームの重要な要素であり、筆を動かして色を塗ることでパズルが解ける場面もあります。また、部屋には様々なアイテムが配置されており、それらを調べることで、物語の背景やヒントが得られます。

パズルを解くことで手に入る手稿やアイテムは、テキストメッセージやアニメーションでストーリーを理解するのに役立ちます。

あらすじ

ニューヨークの公募展に応募する作品を完成させるため、女性画家は自分の部屋に閉じこもって絵を描いていました。単調な日々の繰り返しの中、彼女は窓の外に住む老画家が描く絵に、どこか見覚えがあることに気づきます。

絵の中には、若い男性「J」と女性「Amber」の出会いと、二人の思い出が描かれていました。ある日、女性画家は老画家が倒れているのを目撃しますが、彼女の部屋には外から鍵がかかっていました。

部屋にはもう一つのドアがあり、そのドアの名札には老画家の絵の中に登場する女性「Amber」の名前が書かれていました。ドアの奥にあった部屋には、無数の絵が飾られており、それぞれの絵に隠されたパズルを解くことで、女性画家は自身の過去の記憶を取り戻していきます。

そして最後に、彼女は自分が「Amber」であり、窓の外にいる老画家が「Jack」であることを理解します。窓の外は、老いたJackの絵画展の会場であり、女性画家はJackが描いた絵の中の存在だったのです。

Jack編

Amberがニューヨークへ旅立った後も、Jackはスタジオで絵を描き続けました。二人は手紙を通じて連絡を取り合い、過去の思い出はJackの作品のインスピレーションの源となりました。

絵画展に招かれたJackは、展覧会のテーマである「とっておきの景色」に基づいてAmberの絵を描きます。

開発

本作は、アカツキが社内で立ち上げた実験プロジェクト「Silver Lining Studio」によって開発されました。開発チームは、「90分の休憩時間に何をしたいか？」という問いから、映画や小説のような体験をゲームで表現することを思いつき、本作の制作に至りました。

ゲームの仕組みは、「脱出＋ペインティングパズル」というアイデアから生まれ、制作中には『極限脱出』や『ダンガンロンパ』などのパズルゲームが参考にされました。

2Dゲームでありながら、パノラマテクノロジーを使用することで、プレイヤーが視点を360度回転させて探索できるようにし、没入感を高めています。

主人公の部屋は、1980年代から1990年代のパリの画家のアトリエを参考に、レトロで落ち着いた雰囲気が演出されています。

キャラクターデザインに関しては、ストーリーの概要を完成させた後に主人公のイメージが作られました。プレイヤーが感情移入しやすいように、主人公はごく普通で現実的な人物としてデザインされています。

リリース

2021年8月25日に、Microsoft Windows、macOS、iOS、Android向けにリリースされ、2022年6月2日にはNintendo SwitchとPlayStation 4|PlayStation_4向けにもリリースされました。

評価

本作は、ゲームのアートとアニメーションが高く評価され、多くのメディアからジブリ作品のような美しい映像美が評価されています。
また、脱出ゲームの仕組みと物語の組み合わせが巧みであり、まるでアニメーション映画を見ているような体験ができると評されています。

受賞

本作は、Game Connection Asia 2020のIndie Development Awardsで「Best hardcore game」を受賞するなど、数々の賞を受賞しています。

もう一度検索