Being (KOTOKOの曲)

KOTOKO「being」

「being」（ビーイング）は、日本のシンガーソングライターであるKOTOKOが発表した、通算5枚目にあたるシングル作品です。このシングルは、2006年3月23日にジェネオンエンタテインメントよりリリースされました。販売形態としては、特典映像付きの初回限定盤と通常盤の二種類が用意され、初回限定盤には表題曲「being」のミュージック・ビデオを収録したDVDが同梱されていました。

市場での反応として、「being」はオリコン週間シングルチャートにおいて、初登場で4位という順位を記録しました。これは、当時のKOTOKOにとって自己最高のチャート成績となり、作品の注目度の高さを示しました。

表題曲「being」について

この楽曲は、主要なタイアップとして毎日放送系で放映された人気テレビアニメシリーズ『灼眼のシャナ』の後期オープニングテーマに採用され、多くのアニメファンの間で親しまれました。さらに、パケットラジオ番組『KOTOKOのトコトコ探検記』のオープニングおよびエンディングテーマとしても使用されています。

楽曲制作のエピソードとして特筆すべきは、KOTOKO自身が作詞・作曲の両方を手掛けている点です。当初、彼女は作詞のみを担当する予定でしたが、タイアップ元である小説『灼眼のシャナ』を10巻まで読み進める中で作品世界に深く感銘を受け、自らの手でメロディも創造したいという強い想いから作曲も志願したといいます。

KOTOKOは作曲時のイメージについて、「青空に白い雲のラインが描かれ、どこまでも広く突き抜けていくような」情景を思い浮かべながら制作したと語っています。その言葉の通り、楽曲は広がりと壮大さを感じさせるスケールの大きなサウンドが特徴です。

楽曲のタイトルである「being」には、「存在」という意味が込められており、この根源的なテーマは歌詞の中にも「存在」という言葉が繰り返し登場することで強調されています。作品のテーマと深く結びついたタイトルと歌詞世界が構築されています。

また、「being」のミュージック・ビデオは、フィルムを使用して一発撮りという、撮影において高度な技術と集中力を要する方法で制作されました。これにより、独特の雰囲気とライブ感が映像に吹き込まれています。

カップリング曲「雪華の神話」について

シングルには、カップリング曲として「雪華の神話」（せっかのしんわ）が収録されています。こちらの楽曲は、作詞をKOTOKOが担当し、作曲・編曲は高瀬一矢が手掛けました。

「being」とは異なり、「雪華の神話」は季節の移ろいをテーマにした楽曲であり、特に冬から春へと季節が変化していく様子やそれに伴う心情を描いています。繊細でありながらも情感豊かなサウンドで、聴く者に季節の情景を想起させます。

このシングルに収録されている「雪華の神話」が、本楽曲のオリジナルバージョンとされています。後にKOTOKOのアルバム『UZU-MAKI』にも収録されましたが、そちらはシングルバージョンとは異なるアレンジが施されています。また、この楽曲はAIR-G'のラジオ番組『KOTOKOノコト』にて、2006年4月より番組の2代目オープニング曲としても使用されました。

収録内容

シングル「being」には、以下の4トラックが収められています。

1. being [4:47]
作詞・作曲：KOTOKO／編曲：高瀬一矢
タイアップ：毎日放送系テレビアニメ『灼眼のシャナ』後期オープニングテーマ、パケットラジオ『KOTOKOのトコトコ探検記』オープニング・エンディングテーマ
2. 雪華の神話 [6:23]
作詞：KOTOKO／作曲・編曲：高瀬一矢
タイアップ：AIR-G'『KOTOKOノコト』2代目OP曲（06年4月〜）
3. being (instrumental)
4. 雪華の神話 (instrumental)

これらの楽曲は、KOTOKOの3rdアルバム『UZU-MAKI』にも収録されていますが、「雪華の神話」はアルバム収録にあたり異なるバージョンが制作されました。

異なるバージョンについて

表題曲である「being」は、リリースされたシングルバージョン以外にも、イントロ部分に差異がある複数のバージョンが存在します。具体的には、テレビアニメ『灼眼のシャナ』の放送で使用されたテレビサイズバージョン、そして初回限定盤に付属するDVDに収録された特典映像「being SHANAversion」などが挙げられます。これらのバージョンを比較することで、楽曲の微妙な違いを楽しむことができます。

シングル「being」は、KOTOKOにとって自己最高のチャート記録を樹立しただけでなく、人気アニメとのタイアップ、そして自身が作詞作曲を手がけたという点でも、彼女のキャリアにおいて重要な節目となった作品と言えるでしょう。壮大な「being」と、季節の移ろいを描いた「雪華の神話」という魅力的な二曲を収めたこのシングルは、ファンの間で長く愛されています。

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