Bespoke (アルバム)

槇原敬之 セルフカバーアルバム『Bespoke』

『Bespoke』（ビスポーク）は、槇原敬之が2022年3月2日に発表したセルフカバー・アルバムです。この作品は、彼が他のアーティストに提供した楽曲を自ら歌い直したもので、槇原のソングライターとしての才能を再認識できる内容となっています。

背景とリリース

当初はデビュー30周年プロジェクトの第2弾として、2020年3月4日に発売が予定されていました。しかし、槇原自身の不祥事により発売は延期となってしまいます。

アルバムタイトルの『Bespoke』は、「テーラーが顧客と対話を重ねながら服を仕立てる」という意味を持ちます。このタイトルは、槇原が楽曲を提供する際に、アーティストとのコミュニケーションを大切にし、それぞれの要望やイメージを反映させてきた姿勢を表しています。作り手としての彼のこだわりが込められていると言えるでしょう。

2019年12月20日には、アルバムの発売が発表されました。当初は、浜田雅功、小林幸子、加藤ミリヤ×清水翔太、藤井フミヤ、CHEMISTRY、Early Morning、SMAP、イカ大王、鈴木雅之、高橋みなみ、平井堅など、豪華なアーティストに提供した11曲のセルフカバーが収録される予定でした。

しかし、2020年2月13日、槇原が覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されたことが報じられ、同月17日にアルバムの発売延期が発表されます。ファンにとっては、待ち望んでいた作品だけに、残念なニュースとなりました。

その後、2021年9月6日に公式サイトで活動再開を発表し、2022年1月11日に改めて本作を3月2日に発売することが発表されました。アルバムは通常盤（CDのみ）と初回限定盤（CD+DVD）の2形態でリリースされ、初回限定盤には「Sakura Melody」のミュージック・ビデオが収録されました。

ディスクジャケットは、槇原自身のアイデアに基づき、「作詞家、作曲家、編曲家としての顔を持っていることを、洋服の採寸を行うシーンで表現したい」という意図が込められています。デザインはBEAMS CREATIVEの竹中智博が手がけ、彼の音楽家としての多面性を表現したスタイリッシュなものとなっています。また、アルバムの発売に先駆けて、2月18日には本作のクロスフェード動画がYouTubeで公開され、ファンの期待を高めました。

収録曲と演奏

アルバムには、槇原敬之自身によるボーカルと全ての楽器演奏に加え、毛利泰士によるシンセサイザー・プログラミング、Tom-Tomによるパーカッション、石成正人、佐橋佳幸、山本タカシらによるギター演奏が収録されています。また、トオミヨウと門倉聡がストリングスアレンジを手掛けており、楽曲に深みを与えています。

まとめ

『Bespoke』は、槇原敬之が自身の楽曲を新たな解釈で表現した、聴きごたえのある作品です。彼のソングライターとしての才能と、音楽に対する真摯な姿勢が感じられるでしょう。紆余曲折を経てリリースされた本作は、ファンにとって特別な一枚となるはずです。

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