Bitter Coffee

スキマスイッチ 9th オリジナルアルバム『Bitter Coffee』

『Bitter Coffee』は、スキマスイッチが『Hot Milk』と2枚同時リリースした9枚目のオリジナルアルバムです。前作『新空間アルゴリズム』から約3年8ヶ月ぶりのオリジナルアルバムとなります。

制作背景

本作は、サブスクリプションサービスが主流となる音楽業界へのアンチテーゼとして、CDでの複数枚同時リリースにこだわって制作されました。当初は5枚以上の同時発売も検討されましたが、「1曲1曲をじっくりと聴いてほしい」というメンバーの想いから、最終的に2枚同時リリースという形に落ち着きました。

制作にあたっては、これまでの作品以上にスタッフの意見を取り入れることがテーマとされました。アルバムタイトルもスタッフからの案を含めた40以上の候補の中から選ばれています。

アルバムコンセプト

本作は「“今、メンバーが作りたいもの”」をテーマに、スキマスイッチの魅力であるシニカルな世界観や、これまでにない挑戦的な楽曲が収録されています。同時リリースの『Hot Milk』は「“今、求められているもの”」をテーマに、スキマスイッチのPOPサイドを表現しており、2枚合わせて「今のスキマスイッチが完成するコンセプトオリジナルアルバム」と位置付けられています。

大橋卓弥は「コアなファンには『Hot Milk』よりも『Bitter Coffee』の方が好きと言って欲しい」と語っています。

リリース形態と特典

通常盤、初回生産限定盤、ファンクラブ限定DELUXE盤の3形態で同時発売されました。ファンクラブ限定DELUXE盤には、スキマスイッチから電話がかかってくるというユニークな特典「スキマスイッチもしもしコースター」が付属しました。

チャート成績

2021年12月6日付のオリコン週間アルバムランキングでは、『Hot Milk』とともに9位を獲得。同一アーティストの同時発売された複数枚のアルバムが、同一推定売上枚数かつ同一順位でTOP10入りするのは、オリコン週間アルバムランキング集計開始以来、史上初の記録となりました。

収録曲について

アルバムには、多彩な楽曲が収録されています。

I-T-A-Z-U-R-A: 1980～90年代のトレンディドラマをイメージした楽曲。
G.A.M.E.: トランプゲーム「Twenty one」を題材にした楽曲で、アレンジはThe PLAYLISTERSが担当。
風がめくるページ: AOKIのCMソングとして書き下ろされた楽曲で、インスト曲「茜」に歌詞をつけたもの。
いろは: ミレーの「落穂拾い」から着想を得た楽曲で、2009年にデモが存在していたものの、今回改めて完成。
SINK: ピアノリフが印象的な楽曲で、ヴォコーダーを使用している。
フォークで恋して: デビュー当時から構想があったシティ・ポップ調の楽曲。

総評

『Bitter Coffee』は、スキマスイッチの新たな一面を垣間見ることができる意欲作です。シニカルな歌詞や実験的なサウンドなど、これまでのイメージを覆すような楽曲も収録されており、新たなファンを獲得するきっかけとなるかもしれません。スキマスイッチの音楽的な幅広さを感じることができる、聴き応えのあるアルバムです。

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