Body & Soul

SPEEDデビューシングル「Body & Soul」：大ヒットの裏側とその後

1996年、日本の音楽シーンに彗星のごとく現れたSPEED。彼女たちのデビューシングル「Body & Soul」は、瞬く間に大ヒットを記録し、グループの代表曲として現在も語り継がれています。本稿では、この楽曲の制作秘話からヒットの要因、そして現在に至るまでを詳細に解説します。

レコーディングから発売までの道のり

プロデューサー伊秩弘将氏は、SPEEDのメンバーに初めて会った時の印象をそのまま投影する形で「Body & Soul」を制作しました。しかし、デビューシングルということもあり、レコーディングは難航を極めます。4月29日から約2ヶ月に渡り、実に7回ものレコーディングが行われました。6月にはサビの掛け合いとグルーブ感について修正が必要と判断され、発売日は当初予定の7月22日から2週間延期されることとなりました。関係者の並々ならぬ努力と、完成へのこだわりが感じられます。

大ヒットとメンバーの反応

発売後、CDショップでメンバー自ら商品を最前列に陳列するなど、彼女たちのデビューへの熱意は並々ならぬものでした。後に今井絵理子氏はテレビ番組で、当時の事務所社長から「30万枚売れれば褒めてやる」と言われたものの、それを大幅に上回る大ヒットとなり、社長も驚いていたというエピソードを語っています。オリコン集計では63.8万枚、累計売上枚数は80万枚を記録する大ヒットとなりました。

楽曲の魅力とCMソング

「Body & Soul」は、日清シスコ「シスコーン」のCMソングにも起用され、SPEEDにとって初のCM出演作品となりました。ミュージックビデオはサンフランシスコとロサンゼルスで撮影され、オークランド・アスレチックスの本拠地であるオークランド・コロシアムでの撮影シーンも話題を呼びました。サビの歌詞「Body & Soul」は、当初「Close your eyes」と作詞されていたものが、インパクトに欠けると判断され変更されたというエピソードも残っています。

多様な展開とカバー

「Body & Soul」は、お笑い芸人のネタとしても使用されるなど、幅広い層に浸透しました。また、2008年のSPEED再結成時には、メドレー形式で「White Love～STEADY～Body & Soul 2008」としてシングル「あしたの空」に収録されています。さらに、多くのアーティストによってカバーされており、デブパレード、Cheeky Parade、Happiness、フラチナリズム、BESTIEM、氣志團など、様々なアーティストが「Body & Soul」を自身の作品に取り入れています。

カップリング曲「I Remember」は、ビル・ウィザースの「クリスタルの恋人たち」に酷似していると指摘されています。また、このシングルには「Body & Soul (Hand Bag Mix)」と「Body & Soul (Instrumental)」も収録されています。「Body & Soul (Hand Bag Mix)」は、このCD以外では収録されていない貴重なトラックです。一方、「Body & Soul (Instrumental)」は、音楽プレイヤーソフトウェアでは誤表記されるケースもあるようです。

収録アルバム・PV集

「Body & Soul」と「I Remember」は、数々のSPEEDのアルバムやPV集に収録されています。代表的なものとしては、『Starting Over』『MOMENT』『SPEED THE MEMORIAL BEST 1335days Dear Friends 1』『SPEEDLAND -The Premium Best Re Tracks-』『SPEED VIDEO CLIPS「SPEED SPIRITS I」』『SPEED VIDEO CLIPS「SPEED SPIRITS COMPLETE」』『BIBLE -SPEED BEST CLIPS-』などがあります。これらの作品を通じて、「Body & Soul」は、SPEEDの歴史において重要な楽曲であることが改めて分かります。

結論

「Body & Soul」は、SPEEDのデビューシングルとして、レコーディングや発売までの道のり、大ヒット、そしてその後のカバーや再収録など、数々のドラマを生み出した楽曲です。その魅力は、時代を超えて多くの人々の心に響き続け、SPEEDというグループの礎を築いたと言えるでしょう。この楽曲が持つ普遍的な魅力は、これからも多くの人々に愛され続けるに違いありません。

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