C-32 (航空機)

C-32 要人輸送機

C-32は、アメリカ空軍が運営する重要人物の輸送を行うための航空機です。この機体はボーイング757の軍用版であり、合計6機が製造されています。中でもC-32Aは、特にアメリカ合衆国の副大統領、すなわちエアフォースツーとしての機能を果たし、その他にもファーストレディや大統領顧問、さらには議会の関係者など、重要な要人の輸送にも使用されています。また、C-32はVC-25（ボーイング747）が利用できない空港へのアクセスの際、代替機として大統領輸送任務に便乗することもあります。

概要

C-32Aは、古くなったVC-137の後を継ぐ機体として開発されました。この機体は商業用のボーイング757-200をベースにしており、1996年に新たに導入されることが決定され、同年8月に購入契約が結ばれました。配備は1998年の6月から始まりました。C-32Aは、元々の商業機から軍用・VIP輸送用に大幅に内装を改修し、快適な環境を提供しています。

機内は、さまざまな用途に応じて分けられています。前方には通信室やキッチン、10席のビジネスシートが配置されており、快適なビジネス環境を整えています。その後方には、ベッドや洗面所を含む特別な座席エリアが設けられています。また、スタッフ用に8席のビジネスシートが用意されているほか、後方には32席のビジネスシートと洗面所が設置されています。

C-32は、このように使用される機体であるだけでなく、機能面でも優れた性能を発揮しています。燃費が改善されており、最大41.7トンの燃料を搭載すると、約10,000キロメートルの航続距離を実現します。これは、従来のVC-137よりも効率的な運用が可能です。加えて、C-32はより短い1,500メートルの滑走路でも離陸可能な設計で、安全性を高めるために空中衝突防止システムや対地接近警報装置を備えています。

さらに、C-32Bも2機導入されています。これは緊急時に対処するための移動要員輸送機として機能しますが、C-32Aとは異なり、ウィングレット改修は施されておらず、エンジンもロールス・ロイス社製のRB211を搭載しています。

要目（C-32A）

• - 全長: 47.32ｍ
• - 全幅: 37.99ｍ
• - 全高: 11.02ｍ
• - 最大離陸重量: 115.7トン
• - 乗員: 16名（任務によって変動）
• - 乗客: 45名
• - エンジン: P&W PW2040 ターボファン（2基、推力184kN）
• - 最大速度: 850km/h
• - 航続距離: 10,200km
• - 実用上昇限度: 12,700ｍ

このC-32は、アメリカ空軍の重要な輸送機として、国家の安全を支える役割を果たし続けています。

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