C-8 (航空機)

C-8 輸送機概要

C-8は、アメリカ空軍によって開発された輸送機で、STOL（短距離離着陸）機能を持つC-7輸送機の後継として位置づけられています。この機体はデ・ハビランド・カナダ製のDHC-5バッファローの原型となり、1964年4月9日に初飛行を果たしました。CV-7Aとして4機が製造され、ベトナム戦争時には実戦評価が実施されましたが、最終的には不採用となりました。1967年には陸軍から空軍に移管され、C-8Aとして改称されました。

C-8の設計と技術

C-7カリブー（DHC-4）は、前線での輸送作業において有用な機体でしたが、その発動機は2基の1,450馬力のレシプロエンジンであり、出力が不足していました。それにより、運用の際に燃料供給に関する問題が生じていました。そのため、1962年にアメリカ陸軍はC-7の後継機を公募し、25社からの応募がありました。その結果、ターボプロップエンジンを採用したDHC-5が選ばれ、CV-7として生産されることとなりました。

CV-2（C-7の旧名）とCV-7の大きな違いは、エンジンのターボプロップ化により出力が2倍に増加したこと、そして水平尾翼が垂直尾翼の上部に配置されてT字型のデザインに変更されたことです。この改良によりペイロードは1.5倍以上に増加し、低速時の操縦性も改善されました。以前は「ヘリコプターよりも遅い」とされていた速度の問題も改善されました。

しかし、この期間にはヘリコプターが大型化し、高性能化していたため、C-123のように短い滑走距離で離着陸可能な戦術輸送機も台頭してきました。このため、STOL輸送機の必要性は薄れていきました。CV-7はベトナム戦場にも投入され、実戦での評価は良好でしたが、4機の試作機が製造されたのみで、その後の生産は止まってしまいました。COIN（対反乱）機としての利用も検討されましたが、実際には実現しませんでした。

C-8Aの研究利用

C-8Aはその後、NASAに譲渡され、STOL飛行の研究に使用されました。1970年代後半には静粛性と短距離離着陸性能向上を目指し、新しい主翼とボーイング社の協力により開発された4基のライカミング製YF102ターボファンエンジンを搭載した機体として進化しました。これによりC-8Aは高いSTOL性能を示し、空母キティホークに着艦することも可能となりました。

要目

• - 全幅: 29.26 m
• - 全長: 23.56 m
• - 全高: 8.75 m
• - 翼面積: 86.9 m²
• - 自重: 10,600 kg
• - 離陸総重量: 17,237 kg
• - 高速巡航速度: 430 km/h (M0.35, 高度3,050 m)
• - 巡航速度: 341 km/h (M0.28, 高度3,050 m)
• - エンジン: GE T64-GE-10（2,850 ehp）×2
• - 最大燃料航続距離: 3,260 km
• - 最大搭載航続距離: 833 km
• - 離陸距離: 373 m
• - 着陸距離: 320 m
• - ペイロード: 4,820 kg
• - 乗員: 3名

C-8はその生産機の数量は限られていましたが、DHC-5自体はカナダ空軍に採用された後、世界中で輸出され、1980年代後半まで生産が継続されるほどの成功を収めました。

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