CAPCOMベースボール 助っ人外人大暴れ!

CAPCOMベースボール 助っ人外人大暴れ!

『CAPCOMベースボール 助っ人外人大暴れ!』は、日本のゲームメーカーであるカプコンが、1989年10月にアーケードゲームとして発表した野球シミュレーション作品です。前年にリリースされた『カプコンボーリング』に続く、カプコンが自社の名を冠して展開したアーケード用スポーツゲームシリーズの第二弾として位置づけられています。

本作は、同時期に登場した『アドベンチャークイズ カプコンワールド』でも採用された、バッテリーバックアップ機能を内蔵したカプコン独自の特殊基板「カプコンバッテリーボード」を使用して開発されました。これにより、ゲーム進行に応じたデータの保存など、従来の基板では難しかった機能が実現されています。

ゲームの操作系は、当時アーケードや家庭用ゲーム機で人気を博していたナムコの『プロ野球ファミリースタジアム』（通称ファミスタ）と共通する部分が多く見られます。しかし、本作には独自のゲームバランスと操作感覚が存在します。特に、打球が地面すれすれを飛ぶ直線的なライナーになる傾向が強く、捕球時にはボールの影を頼りにする従来の野球ゲームとは異なる、独特の難しさが伴いました。他の野球ゲーム経験者であっても、本作特有の操作や打球の挙動に慣れるまで時間を要するなど、やや癖の強いゲーム性を持っていました。

本作の大きな特徴であり、当時としては斬新だったシステムとして、プレイヤーがチームを選択した後に、オリジナルの選手を一人だけ作成し、チームに加えてプレイできる点が挙げられます。作成可能なのは野手で、プレイヤーが平仮名4文字で名前をつけることができました。この名前の組み合わせによって、選手の能力値や打順が8種類のパターンの中から自動的に決定されるという仕組みでした。自作した選手が打席に立つ際には、ゲーム中の観客から声援が送られるといった、プレイヤーの愛着を高めるための演出も細やかに盛り込まれていました。

ゲーム中に登場するチームは、実在のプロ野球球団をモデルにした全10球団です。モデルとなった球団名は、本作がリリースされた当時のプロ野球界の構成を反映しています。以下に登場する球団と、そのモデルとなったチームを記します。

G：ガリレイズ（Galileis） - 読売ジャイアンツがモデル。
C：カークス（Carks） - 広島東洋カープがモデル。
D：ドリアンズ（Dorians） - 中日ドラゴンズがモデル。
S：スレローズ（Srellows） - ヤクルトスワローズがモデル。
T：タイガイアス（Tigyres） - 阪神タイガースがモデル。
W：ホワイターズ（Whiters） - 横浜大洋ホエールズがモデル。
L：ライオネッツ（Lionets） - 西武ライオンズがモデル。
AE：オールイースタン（All Eastern） - 日本ハムファイターズとロッテオリオンズの連合チーム。
AW：オールウエスタン（All Western） - 近鉄バファローズ、オリックスブレーブス、福岡ダイエーホークスの連合チーム。
CG：カプコンゲームズ（Capcom Games） - カプコンの歴代ゲームキャラクターやタイトル名から選手名が取られた、カプコンのオールスターチーム。ロックマンやだいまかいなど、1988年頃までのカプコンを代表するゲームタイトルが選手名として登場しました。

このように、『CAPCOMベースボール 助っ人外人大暴れ!』は、アーケード向けスポーツゲームとしての基本を押さえつつも、オリジナル選手の作成機能やユニークなチーム編成、そして独自の操作性といった要素により、他の野球ゲームとは一線を画す個性を持った作品でした。そのタイトル名と相まって、当時のアーケードシーンに確かな存在感を示しました。

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