CATCH (報道番組)

CATCH（キャッチ）

『CATCH』は、宮城県を放送対象地域とする仙台放送が、1999年1月から2004年12月18日まで毎週土曜日の18時30分から19時00分にかけて放送していたローカル報道番組です。約6年間にわたり、地域の様々な出来事や社会問題に焦点を当てました。

番組構成と内容

番組は、毎週一つ特定のテーマを設定し、そのテーマに関する詳細な取材に基づいたVTR映像を制作して放送する形式をとっていました。単なるニュース報道に留まらず、一つのテーマを深掘りするドキュメンタリー的な要素も持ち合わせていました。また、VTRの合間にはスタジオで司会者と、そのテーマに精通した専門家や関係者との対談コーナーが設けられており、VTRの内容をさらに掘り下げたり、多角的な視点から議論を深めたりする構成となっていました。地域に密着した硬派な報道姿勢で、一定の評価を得ていました。

番組終了の背景

2004年末に番組はその歴史に幕を閉じました。番組公式サイト上では「諸般の事情」として終了理由が公表されましたが、実際の背景には別の要因があったとされています。当時、仙台放送の社長はフジテレビから出向しており、その社長が掲げた「経営効率化」の方針に基づき、自社制作番組の大幅な見直しが図られた結果、『CATCH』も終了の対象となったと言われています。視聴率は安定しており、番組としての評価も一定数存在したにもかかわらず、この経営判断が優先された形です。番組開始時からのプロデューサーは、これまでに番組制作に関わってきた人々の意見を集め、番組の継続を求める嘆願書を提出しましたが、残念ながら会社側によって受け入れられることはありませんでした。

番組終了後、土曜日の18時30分枠は一時的にフジテレビ制作のバラエティ番組『もしもツアーズ』の同時ネット枠となりました。しかし、その後2006年4月には、当時月曜日の19時枠で放送されていた自社制作のスポーツ番組『スポルたん！』がリニューアルされ、『速報スポルたん！』としてこの土曜18時30分枠に移動・開始。これにより、再び仙台放送による自社制作番組枠に戻されています。

報道姿勢への批判

『CATCH』は硬派な報道番組としての性格を持っていましたが、特定の報道、特に公職選挙法違反に関する事案の取り扱いにおいて、その姿勢に偏りがあるとの批判を受けることがありました。具体的には、自民党の小野寺五典議員（当時）が選挙区内で有権者に香典セットを配布していた問題が発覚し、後に議員辞職に至った際、番組は小野寺氏に対して批判的な立場から報道を展開しました。

ところが、その後、民主党の鎌田さゆり議員や、かつて本番組のキャスターも務めた今野東議員（当時）にも同様の公職選挙法違反の疑いが持ち上がると、番組の報道姿勢が大きく変化しました。番組は終始、鎌田氏と今野氏を擁護するような論調で報道し、出演した政治評論家まで両議員に理解を示す発言を行う場面が見られました。さらに、両議員を番組に生出演させ、自身の行為に対する弁明の機会を与えるなど、以前の小野寺氏に対する批判的な報道とは明らかに異なる対応をとったのです。

この一連の報道の差異に対し、視聴者や関係者からは、特定の政党や人物に対して報道姿勢が偏っており、ジャーナリズムにおける公正さを欠いているのではないかという批判的な声が寄せられました。硬派な報道を目指す番組でありながら、特定の事案における報道の公平性が問われる結果となりました。

『CATCH』は、地域の課題に深く切り込む意欲的な報道番組として放送されましたが、その終焉は経営的な判断に左右され、また、特定の報道姿勢が議論を呼ぶという側面も持ち合わせていた番組でした。

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