CBU-97 SFW

CBU-97 SFWの概要

CBU-97 SFW（別名: センサー・フューズド・ウェポン）はアメリカ空軍による1,000ポンド（約450kg）級の無誘導型クラスター爆弾です。この兵器は、米国のテキストロン・ディフェンス・システムズ社によって開発されました。

構造と機能

CBU-97 SFWは、外殻がSUU-66/Bという戦術弾薬ディスペンサーで構成されており、その内部には10本のBLU-108/B 子爆弾集合体が収められています。各BLU-108には4つのホッケーパックの形をしたセンサー・フューズド投射体「スキート」が含まれており、これらが空中で分離し、運行する対象を感知して自己鍛造弾を発射します。

攻撃のメカニズム

航空機から放たれたCBU-97 SFWは、指示された高度に達すると、爆発切断火薬によってディスペンサーの外皮が開きます。次に、エアバッグにより内部の子爆弾集合体が一気に外に押し出されます。超音速から亜音速での運動が急減速され、空中で約30mの間隔で漂いながら降下します。

それぞれのBLU-108が適切な高度に到達すると、パラシュートが展開され、続いて小型のロケットモーターが作動して回転しながら落下します。センサーが地上の対象をスキャンし、車両を認識することで攻撃が開始されます。

スキートには2種類のセンサーが取り付けられています。一つは追跡レーザーセンサーで、物体の形状の変化を検出します。もう一つは赤外線センサーで、熱を発するエンジンを探知します。両方のセンサーが目標を確認すると、スキートは爆薬を起爆して自己鍛造弾を発射し、対象に向かいます。この弾は、目標の厚みのある装甲を貫通する能力があります。

誘導装置の使用

CBU-97 SFW使用時には、CBU-105という風修正型の誘導尾翼キットも併用されます。これにより、攻撃精度が向上します。

実戦における運用

CBU-97 SFWは、最初にNATO軍が関与したコソボ紛争中のアライド・フォース作戦で配備されましたが、実際には使用されませんでした。その後、2003年のイラク戦争において初めて実戦使用が行われました。

設計上の配慮

CBU-97 SFWには、目標を探知できない場合の安全策として自爆機能が備わっています。スキートは放出後8秒経過するか、50フィート以下まで降下すると自己破壊します。これにより、不発弾の影響を最小限に抑える設計がされています。

クラスター爆弾禁止条約との関連

国際的には、多くのクラスター爆弾が禁止されている中、アメリカはその条約に参加していません。しかし、倫理的な理由からその使用が批判される可能性が高いです。CBU-97 SFWは、条約による条件を満たすことができず、結果として禁止される兵器に該当します。

主要スペック

• - 種類: 自由落下型爆弾
• - 重量: 927ポンド（420kg）
• - 長さ: 92インチ（234cm）
• - 直径: 15.6インチ（40cm）
• - ディスペンサー: SW-65 戦術ディスペンサー
• - 子爆弾集合体: BLU-108/B（直径：13.3cm、高さ：79cm）×10本
• - 子爆弾: スキート×40個
• - 弾頭: 自己鍛造弾
• - 単価: $360,000

このようにCBU-97 SFWは、その高度なセンサー技術と攻撃メカニズムによって、現代の戦争において重要な役割を果たしています。

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