CC-Link

CC-Link：オープンな産業用ネットワークとその発展

CC-Linkは、様々なメーカーの機器を接続可能なオープンな産業用ネットワークとして、三菱電機によって1996年に開発されました。当初からオープンアーキテクチャを採用し、2000年にはCC-Link互換製品の市場参入を促進するため、NPO法人であるCC-Link協会が設立されました。現在では、世界中の数千ものメーカーがCC-Link対応機器を製造・販売しており、その利用範囲は製造業におけるセル生産やプロセス制御にとどまらず、ビル設備制御などにも広がっています。

CC-Linkの特長と多様な規格

CC-Linkの大きな特長は、そのオープン性と相互運用性です。多くのメーカーがCC-Link対応機器を開発・提供しているため、システム構築における柔軟性が高く、特定のベンダーに依存することなく、最適な機器を選択できます。

CC-Linkは、当初の規格に加え、用途やニーズに合わせた複数の発展形が存在します。主な規格として、以下のものがあります。

CC-Link: 基本的なCC-Link規格。
CC-Link LT: 低コスト、低消費電力を特徴とする規格。
CC-Link Safety: 安全性を重視した規格。
CC-Link IE (産業用イーサネット): 高速な通信を必要とする用途に適したイーサネットベースの規格。CC-Link IE ControlとCC-Link IE Fieldの2種類があります。

これにより、様々な規模や用途のシステムに最適な規格を選択することが可能です。接続可能な機器も多岐に渡り、PLC、ロボット、サーボドライブ、モータードライブ、センサー、アクチュエータなど、製造現場で必要とされる様々な機器を統合できます。

国際標準規格への適合

CC-Linkは、その信頼性と汎用性から、複数の国際標準規格に認証されています。これにより、世界各国での利用が容易になり、グローバルなシステム構築にも貢献しています。主な認証規格は以下のとおりです。

IEC 61158 および IEC 61784 (フィールドバス標準)
ISO 15745-6 (自動化システムと統合システム)
SEMI E54.12 (半導体製造業協会標準)
中国国家標準 GB/T 19760-2008、GB/T 20099.4-2006
韓国国家標準 KSB ISO 15745-5
台湾標準 CNS 15252X6068

これらの認証は、CC-Linkの高い信頼性と技術的な優位性を示すものです。

技術仕様

CC-Linkの技術仕様は、採用する規格によって異なりますが、一般的な仕様は以下のとおりです。

転送速度: 10Mbps (CC-Link), 100Mbps以上 (CC-Link IE)
伝送距離: 最大1.2km (RS-485使用時)、リピータ使用で最大13.2km
最大接続ノード数: ネットワーク当たり64局
スキャンタイム: 64I/O局の場合、3.9ms以下（伝送速度に依存）
* ネットワーク構成: 待機マスタとホットスワップ可能なマスタ・スレーブ構成

これらの仕様は、システム設計において重要な要素となります。

まとめ

CC-Linkは、オープン性、相互運用性、国際標準規格への適合性、そして多様な規格展開によって、幅広い産業分野で信頼性高く利用されている産業用ネットワークです。今後も、製造現場の高度化、多様化に対応すべく、進化を続けることが期待されます。

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