CELL REGZA

CELL REGZA：革新的な高性能テレビ

東芝が発売したREGZAシリーズの最高峰モデル「CELL REGZA」は、ゲーム機PlayStation 3にも搭載された高性能CPU「Cell Broadband Engine」(CELL) を搭載した液晶テレビとして知られています。その圧倒的な処理能力を活かし、他機種を凌駕する高画質・多機能を実現した画期的な製品でした。

55X1：高価格と高性能の両立

2009年10月に発表された55V型モデル「55X1」は、実売価格100万円を超える超高額モデルでしたが、その性能は価格に見合うものでした。11基の地デジチューナー、3基のBS・110度CSデジタルチューナー、そして3TBの大容量HDDを搭載。これにより、地上デジタル放送を最大8チャンネル同時録画することが可能でした。

CELLの処理能力は、当時のPC用[マイクロプロセッサ]の10倍、東芝従来のTVの演算能力の143倍という驚異的な数値を誇り、高度な超解像処理や512分割エリア制御によるLEDバックライト制御を実現。さらに、USB接続でのHDD増設にも対応し、録画機能を拡張することができました。

「おまかせドンピシャ高画質」機能も搭載し、最適な画質で映像を楽しむことができました。Operaブラウザの搭載により、インターネット接続環境下でのブラウジングも可能で、YouTubeなどの動画サイトも高画質で視聴できました。チューナー部とモニター部が分離されたセパレートタイプで、全方位送信対応のリモコンも特徴的です。

2010年秋冬モデル：3D対応と薄型化

2010年秋冬モデルでは、「55X2」と「CELL REGZA スリムXE2」シリーズが登場。3D映像への対応を果たし、CELLの性能を活かした「CELLレグザ3D高画質化システム」を搭載。3D超解像技術や高度なバックライトコントロールシステム（55X2のみ）により、高精細で臨場感あふれる3D映像を実現しました。

また、XE2シリーズでは、奥行き29mmの超薄型設計を実現。46V型モデルもラインナップに加わり、選択肢が広がりました。このシリーズでは、東芝製の据置型デジタルTVとして初めて地上アナログチューナーが廃止され、デジタル3波チューナーのみの搭載となりました。X2シリーズとXE2シリーズでは「ハイスピード4倍速」機能を搭載し、残像感を低減する工夫も施されていました。

「タイムシフトマシン2」機能では、録画できる時間やチャンネル数をより柔軟に設定できるようになり、最大約102時間もの長時間録画が可能になりました。さらに、高音質化にも力を入れており、X2シリーズでは「CELLレグザパワーオーディオシステム」、XE2シリーズでは「CELLレグザオーディオシステム2」を搭載しました。

まとめ

CELL REGZAは、当時としては革新的な技術と圧倒的な性能を誇る液晶テレビでした。高価格帯ながら、その高い処理能力と多機能によって、多くの注目を集めました。NHKスペシャルでの取り上げからも、その技術力の高さと、日本の家電メーカーの技術開発力の象徴として認識されていたことが伺えます。 高画質、多機能、そしてデザイン性も兼ね備えたCELL REGZAは、液晶テレビの歴史において重要な位置を占める製品と言えるでしょう。

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