CFA協会認定証券アナリスト

CFA資格について

CFA協会認定証券アナリスト（CFA）は、国際的に認められた投資の専門家資格で、CFA Institute（アメリカ合衆国バージニア州本部）が管理しています。CFA資格を取得するには、3段階の試験を合格し、最低でも4,000時間の投資分析関連業務の経験が必要です。これに加え、CFA資格保持者は、CFA協会が定めた「倫理規範および職業行為基準」を遵守する義務があります。

2022年時点で、CFA資格保持者は世界中で166,700人を超え、165の国や地域にローカル・ソサイエティが設立されています。特に日本では、日本CFA協会がこの役割を担い、セミナーや交流の場を提供しています。

CFA資格は1963年から始まった制度で、2022年5月までに、エントリー試験であるレベル1に挑戦した受験者数は約205万人に達しました。しかし、最終試験レベル3の合格者数は30万人未満であり、資格の取得難易度の高さを物語ります。実際、CFA資格を取得できるのは受験者の約15%とされています。

CFA資格を取得するためには、平均1,000時間を超える厳しい勉強を要し、さらに4,000時間以上の職務経験が必要となります。外部機関Ecctisの評価によれば、CFA資格はアメリカにおける大学院修士課程（Master's Degree）の一つの指標として認識されています。MBAとの比較では、CFA資格は金融と投資に特化していますが、MBAはビジネス全般を対象としており、MBAの難易度や年収にはばらつきがあります。また、CFA資格保有者の平均年収は177,000ドルに達するとされています。

さらに、CFAプログラムは長期間にわたるため、受験者には幅広いファイナンス理論や英語力、自己管理能力、ストレス耐性が求められます。受験にかかる費用は、大体3,000ドルからで、受験料や年会費475ドルも考慮に入れると、相当な負担がかかります。

CFAは元々米国で始まりましたが、金融業界のグローバル化に伴い、国際的な資格として認知されています。今では受験者の過半数がアメリカとカナダ以外の国々から来ており、特にアジア地域では受験者数の急増が見られます。しかし日本でのCFA資格保有者はまだ1,200人程度にとどまっています。

試験制度

CFA試験は3つのレベルで構成され、全試験が英語で行われます。試験時間が短縮され、現在は:

• - レベル1: 4時間30分、選択式
• - レベル2: 4時間24分、総合問題
• - レベル3: 4時間24分、50%論述、50%総合問題

また、2021年からは受験回数が増え、レベル1は年4回実施されることになりました。合格するためにはそれぞれ約300時間の勉強が求められ、英語が母国語でない受験者はさらに多くの時間を費やす必要があります。

2022年の合格率は、レベル1が36-38%、レベル2が44%、レベル3が49%となっています。日本では東京の他、大阪でも受験が可能になりました。受験日も自由に選択できるようになっています。

カリキュラム

CFAのカリキュラムは「Candidate Body of Knowledge」に基づき、年ごとに更新されます。主な出題分野は:

• - 倫理基準および職業行為基準
• - 定量分析手法/統計学
• - 経済学
• - 財務諸表分析
• - 株式・債券投資
• - ポートフォリオ管理

特にコーポレートファイナンスが改定され、ESG（環境・社会・ガバナンス）や運転資本管理が新たに加わりました。

学習教材

CFA試験に申し込むと、CFA協会公式の学習教材が利用可能ですが、内容が多いため、多くの受験生が外部の学習コンテンツも活用しています。代表的なプロバイダーにはKaplan SchweserやWileyがあります。

資格取得後の活躍の場

CFA資格保持者は主にアセットマネジメント、プライベート・ウェルス・マネジメント、商業銀行、投資銀行、保険会社など、幅広いフィールドで活躍しています。特に近年ではフィンテックなど新たな分野でも活躍の幅を広げています。代表的な雇用主にはJPMorgan Chase、Morgan Stanley Wealth Management等があります。職務の種類はポートフォリオ・マネジメントやリサーチ、コンサルティングなど多岐にわたります。

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