CHANGE (清木場俊介のアルバム)

清木場俊介が2019年10月23日にリリースした『CHANGE』は、彼にとって11作目のオリジナル・スタジオ・アルバムにあたります。この作品は、彼が設立した自主レーベル「UTAIYA RECORDS UNITED」から発表された最初のアルバムという点でも、特別な意味合いを持っています。前作『REBORN』からおよそ2年7ヶ月の期間を経て届けられた本作には、清木場のその時々の心情や、新たな音楽への挑戦が色濃く反映されています。

アルバムには、すでに配信限定シングルとして発表されていた「東京」と「ELEGY」の2曲を含む、バラエティ豊かな全12曲が収められています。これらの既発曲に加え、リリース前からライブで披露されファンに親しまれていた楽曲も多数収録されており、アルバムという形で一つの作品世界を構築しています。また、オフィシャルファンクラブ「清木場組」の会員限定盤には、特典としてライブ映像などが収録されたDVDが付属しており、より深く彼の活動に触れることができる仕様となっていました。

収録曲には、それぞれに込められた清木場の想いやエピソードがあります。

「昨日の君へ」：この曲は、かつて彼のマネージャーを務め、離職を悩んでいた人物をモチーフに制作されたといいます。制作の初期段階では「シズちゃん」という仮タイトルが付けられていたことからも、親しい人物への思いが滲む楽曲です。
「静寂の闇」：アルバム発売以前からライブのセットリストに含まれていましたが、本作に収録するにあたって歌詞の一部が変更されています。
「虹色の朝」：清木場が初めてレゲエのリズムを取り入れた意欲作です。彼は長年レゲエ音楽を愛聴しており、ようやく自身の作品でその要素を取り入れることができた喜びを語っています。また、当初は自身が歌うイメージが湧かなかったものの、実際にレコーディングしてみると意外にも自然に馴染んだ、という制作秘話も明かしています。
「走り続けて」：この曲は、清木場自身が自分自身を鼓舞するための応援歌として書き下ろされました。歌詞は情景描写を重視しており、旅を続ける自分自身の姿をイメージして綴られたといいます。
「初冬 〜記憶の欠片〜」：清木場の祖母が亡くなった際に、彼女への追悼の念や思い出を込めて作られた楽曲です。
「生きてこそ」：特に印象的な「生きてやれ 生きてやれ」というリフレインには、彼の壮絶な経験が込められています。清木場は、自ら死を願うほどの苦境に立たされた時期と向き合い、「それでも決して諦めず、生き続けなければならない」という強い決意やメッセージを、この言葉を通して表現したと述べています。

これらの解説からわかるように、アルバム『CHANGE』は、清木場俊介のパーソナルな感情や経験、そして音楽家としての新たな探求心が詰まった作品であり、自主レーベルからの再出発を飾るにふさわしい、彼の「今」を伝える重要なアルバムと言えるでしょう。

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