CHANGE (Every Little Thingのアルバム)

Every Little Thing（以下ELT）の9枚目のオリジナルアルバム『CHANGE』は、2010年3月24日にリリースされました。このアルバムは、前作から約2年ぶりのオリジナルアルバムとなり、ELTの音楽性において重要な転換期を示す作品となりました。

特筆すべきは、元メンバーである五十嵐充氏がサウンドプロデューサーとして、2000年の3rdアルバム『eternity』以来、10年ぶりにアルバム制作に携わった点です。この復帰により、アルバムには五十嵐氏が作詞・作曲を手がけた楽曲が多数収録され、全曲がプログラミングを主体としたサウンドで構成されています。これは、ELTの音楽スタイルにおいて新たな一面を開拓する試みとなりました。

アルバムの初回限定盤にはDVDが付属しており、「DREAM GOES ON」や「冷たい雨」、「Change」のミュージックビデオの他、オフショット映像や2009年のクリスマスライブの模様が収録されています。これにより、ファンはELTの音楽だけでなく、その活動の舞台裏やライブパフォーマンスも楽しむことができます。

アルバムには、全12曲が収録されており、シングルとしてリリースされた楽曲も含まれています。表題曲である「Change」は、ELTにとって初のアルバムタイトル曲であり、英会話イーオンの企業CMイメージソングとしても使用されました。また、36thシングル「DREAM GOES ON」は、NHK総合系金曜ドラマ「派遣のオスカル〜少女漫画に愛をこめて」の主題歌として採用されています。他にも、「青い煌めき」や「spearmint」、「真夜中のハイウェイ」など、バラエティ豊かな楽曲が収録されています。さらに、五十嵐氏が作詞のみを担当し、外部の作曲家である菊池一仁氏が作曲を手がけた「12ヶ月」は、ELTにとって珍しい制作体制での楽曲です。

アルバムには、持田香織の作詞による楽曲が多く含まれており、彼女の独特な世界観が表現されています。また、インストゥルメンタルの楽曲も収録されており、ELTの音楽的な幅広さを示しています。特に、「Heart Rate Of The City (Instrumental)」や「Snowscape (Instrumental)」は、それぞれの楽器の音色や旋律を楽しむことができる楽曲です。

本作の発売日は、持田香織の32歳の誕生日と重なっていますが、コンサートのMCで「特別それを狙ったわけではない」と語られています。しかし、この偶然がアルバムの発売をより特別なものにしています。

アルバムの演奏には、持田香織（ボーカル）、伊藤一朗（ギター）に加え、五十嵐充（キーボード、プログラミング）、中村康就（キーボード、ピアノ、プログラミング）、中野雄太（キーボード、プログラミング）が参加しています。さらに、弦一徹ストリングス、庄司さとし（オーボエ）、高桑英世（フルート）がストリングスや木管楽器の演奏で参加しており、楽曲に深みを与えています。

『CHANGE』は、ELTの新たな挑戦と、過去の音楽性を融合させた、ファンにとって特別な1枚と言えるでしょう。アルバムのリリース後には、エキサイトミュージックによるインタビューも行われ、アルバムの制作秘話やメンバーの思いが語られています。

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