CHARISMA (郷ひろみの曲)

郷ひろみ、1972年のデビュー以来、数々のヒット曲を世に送り出してきた歌手の54作目のシングル「CHARISMA」は、1985年5月22日にリリースされました。この作品は、彼のシングルとしては異例のことながら、オリコンチャートのトップ100にランクインを果たせませんでした。

このシングルのA面には表題曲「CHARISMA」が収録されています。作詞は、郷ひろみが使用していたペンネームであるヘンリー浜口が担当し、作曲は大輔井上氏が担当しました。力強いメロディーと、郷ひろみの持ち味である表現力が融合した、聴き応えのある楽曲に仕上がっています。

一方、B面には2曲が収録されています。1曲目は「女してる？」というタイトルの楽曲で、作詞はヘンリー浜口、作曲は大沢誉志幸氏です。軽快なリズムと、都会的な雰囲気が漂う、スタイリッシュな仕上がりとなっています。そして2曲目には、イギリスのデュオ、Wham!の大ヒット曲「Careless Whisper」の日本語詞バージョンが収録されています。作詞は、オリジナルの作詞者であるAndrew Ridgeleyに加え、日本語詞としてヘンリー浜口が参加しました。作曲はGeorge Michaelによるもので、郷ひろみによる日本語詞と、原曲の持つ雰囲気を損なうことなく、新たな魅力を加えたアレンジが施されています。

編曲は全曲を通して大村雅朗氏が担当しています。大村雅朗氏の繊細かつ大胆なアレンジは、各楽曲の持つ個性を際立たせており、楽曲全体の完成度を高める上で重要な役割を果たしています。

「CHARISMA」は、郷ひろみのキャリアにおいて、大きな転換点となる作品でした。オリコンチャートへのランクインこそ逃したものの、この作品は、彼の音楽性における幅広さ、そして挑戦的な姿勢を示す重要な作品であると言えるでしょう。これまでの彼のヒット曲とは一線を画す新たな試みは、多くのファンに新鮮な驚きを与え、同時に、彼の音楽的な進化を感じさせるものでした。

このシングルは、12インチシングルという形態でもリリースされました。12インチシングルは、シングルよりも長い演奏時間を持つのが特徴であり、より深く楽曲の世界観に浸れるという魅力があります。この点からも、「CHARISMA」が、単なるシングルとしてではなく、より深く音楽を味わえる作品として制作されたことが分かります。

「CHARISMA」は、オリコンチャートの順位という結果にとらわれることなく、郷ひろみというアーティストの多様な表現力と、音楽への探求心、そして挑戦の姿勢を見事に体現した作品として、音楽史に刻まれるべき作品と言えるでしょう。

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