COCHIN MOON

COCHIN MOON（コチンの月）

『COCHIN MOON（コチンの月）』は、日本の著名なミュージシャン、細野晴臣の5枚目のスタジオアルバムです。このアルバムは、細野とアーティスト横尾忠則が共にインド旅行をした際の経験を基にして制作された、ユニークな企画アルバムです。表面的には横尾との共作となっていますが、実際には細野のソロプロジェクトと言える内容です。

アルバムの背景

このアルバムの制作過程では、細野が旅行中に下痢に悩まされ、横尾が体調不良を抱えるという厳しい状況でしたが、この経験が作品に影響を与えています。レコーディングには、坂本龍一や松武秀樹といった名だたるミュージシャンも参加しており、高い音楽的質が保証されています。

アルバムは、A面とB面に分かれており、それぞれの曲は細野の独自の視点と感性で表現されています。

収録曲とその特徴

A面

• - ホテル・マラバル

曲の舞台であるホテルマラバルは、インドに存在した実在のホテルの名前です。曲の後半では、無限音階（シェパードトーン）が使用され、リスナーに独特の音空間を提供します。

• - 一階―海の三角形 (Ground floor〜Triangle circuit on the sea-forest)

自然を映し出すような音が展開され、聴く者を別世界へと誘います。

• - 二階―動く三角形 (Upper floor〜Moving triangle)

音の変化が楽しめ、まるで三角形が動いているかのような錯覚を与えます。

• - 屋上―レベル・アタック (Roof garden〜Revel attack)

ここでは、旅行中の横尾の言葉「出るものはどんどん出した方がいい」が引用され、アルバム全体のテーマを象徴するコラージュ的な要素があります。

B面

• - 肝炎 (HEPATITIS)

旅行の際に感じた、下痢による苦痛と、それを乗り越えることで覚醒していく様子が表現されています。

• - ハム・ガラ・サジャン (HUM GHAR SAJAN)

生命の根源的なエネルギーに焦点を当てた曲で、力強いメロディが印象的です。

• - マドラス総領事夫人 (MADAM CONSUL GENERAL OF MADRAS)

異国の文化と出会う中で生まれた楽曲で、独特なリズムとハーモニーが特徴です。

演奏者

『COCHIN MOON』には、以下のミュージシャンが参加しています。

• - 細野晴臣（ボーカル、ギター、他）
• - 坂本龍一（キーボード）
• - 佐藤博（キーボード）
• - 松武秀樹（コンピュータープログラマー）

このアルバムは、細野晴臣の音楽的探求と共に、インドの文化や自然に対する深い理解を呼び起こす作品となっています。聞く者に独特な感覚を与え、一度聴けば強烈に記憶に残る、そんな魅力的な作品です。

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