CONFUSION (大沢誉志幸のアルバム)

アルバム『CONFUSION』について

大沢誉志幸による3作目のアルバム『CONFUSION』は、1984年7月10日にエピックレコードジャパンから公開されました。このアルバムは、LPレコードとカセットの形で最初にリリースされ、その後同年8月1日にCD版も発売されました。特に注目すべきは、収録されている「そして僕は、途方に暮れる」がヒット曲であり、ファンの間で広く愛されています。

制作の背景

このアルバムの制作は、前作のリリースから約4か月半の短期間で行われました。録音作業は、日本のアルファスタジオに加えて、ニューヨークのパワー・ステーション・スタジオでも実施されました。しかし、制作過程は決してスムーズではありませんでした。当時、大沢はニューヨークでのレコーディング中に所属する事務所から、「今、渡辺プロダクションは吉川晃司に注力しているため、他のアーティストに資源を投じられない」との連絡を受け、急遽日本に帰国するよう指示されました。このため、レコーディングは一時中断せざるを得なくなりました。

その後、大沢は自身の資金を投入し、個人的にレコーディングを続行することになります。こうした突発的な経緯が、作品に独特な色合いをもたらしたと言えるでしょう。

演奏メンバーと制作チーム

『CONFUSION』に参加した演奏者には、トニー・レヴィン（ベース）、ミッキー・カリー（ドラム）、エイドリアン・ブリュー、エディ・マーティン、G. E. スミス（ギター）、ジェリー・ゴンザレス（パーカッション）、トミー・マンデル、富樫春生（キーボード）、レニー・ピケット、矢口博康（サックス）、松武秀樹（シンセサイザー・プログラマー）など、多彩な音楽家が名を連ねています。この多様なメンバーによる演奏は、アルバムの音楽的深みを増す要因となっています。

楽曲について

アルバムのタイトル曲「CONFUSION」は、1980年代のコンサートで頻繁にオープニング曲として演奏されていました。また、2008年にはデビュー25周年を記念したアルバム『Season's greetings〜春〜』にて、ジャズアレンジ版が収録されています。

「そして僕は、途方に暮れる」は、シングル版とは異なるアレンジが施されており、アルバム版がオリジナルバージョンとされています。このバージョンも、後のベストアルバム『Frenzy』に収められています。

他にも「雨のタップダンス」や「その気××× (mistake)」、さらには「Living Inside」など、多様なトラックが収録されており、それぞれ異なる魅力を持っています。特にアルバムの初回CD盤の裏ジャケットには、誤記と思われる部分も存在するなど、細かなサプライズも見受けられます。

まとめ

『CONFUSION』は、大沢誉志幸にとって、銀色夏生や大村雅朗とともに制作した最後のアルバムとなりました。その音楽は、当時の日本の音楽シーンにおいて特異な存在感を示しました。リリースからの年月が経過しても、その楽曲は多くの人々の心に残り続けています。

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