CRD2

CRD2プログラムの概要

CRD2（Commercial Removal of Debris Demonstration）は、宇宙航空研究開発機構（JAXA）が主導し、商業的なデブリ除去の技術を開発・実証するためのプログラムです。このプロジェクトは、宇宙に残る不要な物体、いわゆるスペースデブリの安全な除去を目的としており、民間企業と協力して取り組まれています。

プログラムの構成

CRD2は2つの主要なフェーズで構成されており、フェーズIではデブリに近づき、その撮影を行います。続くフェーズIIでは、実際にデブリを捕獲し、大気圏に突入させて除去します。これらの作業は、JAXAが過去に打ち上げたが、現在は軌道上で運用を停止しているロケットを対象としています。

フェーズIの詳細

フェーズIはアストロスケールホールディングスに委託され、その衛星「ADRAS-J（Active Debris Removal by AstroScale-Japan）」によって実施されます。ADRAS-Jは2024年2月18日にニュージーランドのマヒア半島からロケット・ラボのエレクトロンロケットで打ち上げられます。このミッションの別名は「On Closer Inspection」で、打ち上げ後には実際のデブリへの接近運動が開始され、その様子が記録されます。

ランデブー技術

宇宙でのデブリ除去には精密なランデブー技術が求められます。過去にも無人の人工衛星同士が接近し、ドッキングを成功させた事例がありますが、運用を終えた迷惑物体に接近するのはCRD2が初めての試みです。これは、通常、操作ができないデブリにどのように接近し、情報を取得するかという点で新しい挑戦となります。アストロスケールはこのプロジェクトのために特別な操作技術（RPO）を開発しました。

フェーズIIの展望

フェーズIIは、2026年度以降の実施が見込まれています。ここでは、実際にデブリを捕獲し、安全に地球の大気圏に突入させる技術の実証が行われる予定です。これが成功すれば、宇宙ゴミ問題に対する新たな解決策が提示されることでしょう。

国際的背景と重要性

宇宙には多数の運用終了した衛星やロケットの部品が漂っており、これらは今後の宇宙活動に深刻な影響を与える可能性があります。CRD2のようなプロジェクトはこのようなリスクを低減し、宇宙空間を利用可能な状態に保つための重要な第一歩です。

関連情報とリンク

今後も、CRD2プログラムの進捗や関連する国際プロジェクトについての情報は、JAXAの公式ウェブサイトやアストロスケールのページで随時更新される予定です。

このように、CRD2プログラムは宇宙デブリの除去に向けた大きな取り組みであり、成功裏に進行すれば、宇宙空間の維持・管理に対する新たな道を切り開くことになるでしょう。

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