CRUD

CRUDとは

CRUD（クラッド）は、コンピュータソフトウェアにおけるデータの永続性を実現するための基本的な4つの操作を指す用語です。これは、Create（生成）、Read（読み取り）、Update（更新）、Delete（削除）の頭文字を並べたもので、ほぼ全てのソフトウェアがこれらの機能を備えています。CRUDは、単にデータベース操作だけでなく、ユーザーインターフェースにおいても重要な概念であり、情報をどのように参照、検索、更新するかを規定します。

データベースアプリケーションにおけるCRUD

CRUDは、特にリレーショナルデータベースアプリケーションやRESTfulなWebアプリケーションにおいて重要な役割を果たします。これらのアプリケーションでは、CRUD操作は必要不可欠な機能として実装されます。各操作は、標準SQL文と密接に関連しており、例えば、CreateはINSERT文、ReadはSELECT文、UpdateはUPDATE文、DeleteはDELETE文に対応します。また、CRUDはリレーショナルデータベースだけでなく、オブジェクトデータベース、XMLデータベース、フラットファイルデータベース、特定のファイル形式など、様々なデータストレージにも適用可能です。

CRUDという用語を最初に使った論文は、Google Scholarによると1990年のKilov, H.によるもので、1998年のKilov (1998)でも詳細に解説されています。

ユーザーインターフェースにおけるCRUD

CRUDの概念は、アプリケーションのユーザーインターフェースにも深く関わっています。例えば、住所録ソフトのようなアプリケーションを考えてみましょう。このソフトでは、連絡先という情報単位を管理する必要があります。その際、ユーザーは最低限、以下の操作を行える必要があります。

• - 新しい連絡先情報の追加（Create）
• - 既存の連絡先情報の検索と表示（Read）
• - 既存の連絡先情報の編集（Update）
• - 既存の連絡先情報の削除（Delete）

これらの操作は、アプリケーションの基本的な機能であり、これらが欠けていると、そのアプリケーションは不完全と言えます。そのため、これらの機能は「連絡先管理」のようにまとめて解説されることが多く、非常に基本的な概念として認識されています。

CRUDのバリエーション

CRUD以外にも、同様の概念を表すために、以下のような頭字語が使われることがあります。

• - ABCD: add（追加）、browse（走査）、change（変更）、delete（削除）
• - ACID: add（追加）、change（変更）、inquire（問合せ）、delete（削除）。ただし、トランザクション分野で使われるACID（原子性、一貫性、独立性、永続性）とは異なります。
• - BREAD: browse（走査）、read（読み取り）、edit（編集）、add（追加）、delete（削除）
• - VADE(R): view（参照）、add（追加）、delete（削除）、edit（編集）。トランザクション処理に関しては、さらに restore（復元）が含まれることがあります。

これらのバリエーションは、CRUDの概念を異なる視点や特定のコンテキストに合わせて表現したものです。いずれも、データの基本的な操作を網羅しており、ソフトウェア開発において重要な役割を果たします。

CRUDは、ソフトウェア開発において非常に基本的な概念でありながら、その影響は非常に大きいものです。データの管理、操作、そしてユーザーインターフェースの設計において、常に意識されるべき重要な要素と言えるでしょう。

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