CVSup

CVSupは、特定の場所を基準として、別の場所にあるファイルやディレクトリを同期させるためのプログラムです。このツールは、データ転送量を最小限に抑えることを目的として設計されており、ファイルの種類に応じて最適な差分符号化アルゴリズムを適用します。CVSupは元々、CVSなどのソースコードリポジトリを継続的に同期するために開発されましたが、その機能は拡張され、現在では任意のファイルの同期に利用できるようになっています。

CVSupは、rsyncと同様にファイル同期ツールの一種と見なすことができますが、いくつかの重要な点で異なります。主な違いは、CVSupがサーバからクライアントへの一方的な転送に限定されず、双方向でのデータ転送を重視している点です。これにより、サーバとクライアント双方のCPUやディスク使用量の均衡を図ることを目指しています。

また、CVSupはファイルの種類に応じて異なる差分アルゴリズムを使用します。例えば、CVSリポジトリ内のファイルは特有の拡張や成長パターンを示すため、CVSupはこれらのファイルをCVSファイルとして認識した場合、専用のアルゴリズムを適用してデータ転送量を削減します。これにより、同期効率が大幅に向上します。さらに、CVSupは、他の様々なファイルタイプについても個別のサポートを提供しており、これらのサポートがない場合は、汎用のアルゴリズムを用いて同期を行います。

CVSupの動作は、単にリモートサーバからデータを取得するだけでなく、双方向での同期を効率的に行うことに重点が置かれています。データ転送においては、zlibによる圧縮を使用し、転送データの効率化も図られています。CVSupはModula-3で記述されており、John Polstraによって設計および開発されました。

CVSupの主な特徴

双方向データ転送: サーバとクライアント間で均等なデータ転送を行い、リソース使用の均衡を目指します。
ファイルタイプに応じた差分アルゴリズム: CVSファイルなどの特定のファイルタイプに対して最適化されたアルゴリズムを使用します。
zlib圧縮: データ転送時の圧縮により、転送効率を向上させます。
柔軟なファイル同期: CVSリポジトリだけでなく、任意のファイルの同期が可能です。

まとめ

CVSupは、効率的なファイル同期を実現するための強力なツールです。特に、CVSリポジトリのような特定の種類のファイルに対する最適化や、双方向同期の機能は、他の同期ツールと比較して大きな利点となります。また、その設計思想は、単なるデータ転送ツールを超えて、システム全体のリソース使用を最適化することを目指しています。


CVSup home page - ウェイバックマシン（2016年8月28日アーカイブ分）
csup CVSup をC言語で書き直したもの

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